＊忙殺 ページ25
ひと「そう言えば、」
流れるようにペンを動かしながらひとらんらんが呟く。
ひと「Aが来てそろそろ一年じゃない？」
A「え？あ……そうか、もうそんなに経つか…」
書類から顔を上げ、Aは今やっと気が付いたその事実に驚く。
それもその筈。ここ二ヶ月程、王国側、特に政治家貴族達が権力を主張して無駄な仕事をアカ軍に押し付けてきたからだ。奴らはどうしても自分達はアカ軍より上だと誇示したいようで、忙殺される我々幹部を「無能」と宣い何も知らない民衆を味方につけていった。お陰で今は街を歩けばひそひそと噂され、基地に帰れば大量の書類が待っている。我々幹部は訓練どころではなく、シャオロンやコネシマまで紙面に向かわなければならない状態だ。そんな訳で、Aには日付の感覚がなくなっていた。
そうか、そうだな。と何度も口の中で反芻し、再びペンを走らせる。
その時、
ロボ『みんなー、突然だけどグルッペンが会議開くってさ。至急会議室まで来てや〜』
胸元に入れたインカムからロボロの声が流れ、執務室に缶詰状態だったA達は会議室へと向かった。
＊
会議室にみんなが集まったことを確認し、開口一番に彼は言う。
グル「独立する。」
主語が無くとも瞬時にその言葉の意図を理解した我々は、目を見開く者、思案顔をする者、笑う者、とそれぞれの反応を示したが、彼の言葉に皆一様に頷いた。
グル「険しい戦いになる。独立後も安全な保障は出来ん。それでもついて来てくれるか？」
トン「ッハ、何言うてますのん、安全なんて最初から求めてねぇんだよなぁ。」
オス「いつかそう言うと思っとったわ〜。」
コネ「グル氏がやりたい事は俺らのやるべき事や、心配すんなや！やろ？お前ら！」
水色の瞳を爛々と輝かして振り返る彼に、A達は雄叫びをあげる。
「「「おおーー！！！！」」」
＊
それからは毎日が更に忙しくなった。
王国側の嫌がらせに加え周辺諸国との外交。そして独立の為の準備だ。
「我々はグルッペン・フューラー総統殿に忠誠を誓った身！！地の果てでもついて行きます！！」
兵は皆口を揃え、彼への忠誠を声にした。てっきり何人かは裏切り者が出ると思っていたAは、改めて彼のカリスマ性に驚かされた。が、そう言う自分も彼の才能に絡め取られた一人だったと思い返し、不思議な高揚感に包まれる。
A「本当、グルッペンはすげーよ。」
珍しく隈の出来た顔で笑いながら、隻眼の彼は呟いた。
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天の声 - 終わった…の…か？…(¬_¬) (2019年3月8日 0時) (
レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 終わり…ですか？？ (2019年1月6日 18時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - 初コメ失礼します！高機能のうさぎ……天国編に出てきたうさぎかと思いましたw (2018年3月1日 21時) (レス) id: 0e94862c9b (このIDを非表示/違反報告)
てっさん(プロフ) - イメ画とても素敵です…色合いから何から何までどストライクで好きです…初コメ失礼致しましたっ (2018年1月17日 0時) (レス) id: c960d35a04 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - ninaさん» そう言って頂けて嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2018年1月15日 20時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクヤ | 作成日時：2017年12月23日 8時
