1話 ページ2
海風が心地よい璃月都市部から少し離れた崖の上
オレンジ頭の執行官は凧揚げをしていた
ヒモを操り海風に乗り天高く飛ぶたこ
「ねぇきみ、このたこ
スネージヤナで飛ばせると思うかい?」
「…風が違いますので難しいかと」
「だよねぇ…
テウセルに贈ろうかと思ったけどこれは無理だね
諦めよ」
回収するためヒモを強く引っ張った途端
強い海風がふき、ヒモを緩めなかったため
プチン!
「あ、きれちゃった」
(タコ糸はそう簡単に切れないのでは)
なんて隣の男は考えた
切れたヒモをグルグルと手にまきつけたあと部下へ投げる
「これお願いね」
「了解です
こちらも処理してしまってもよろしいですか?」
「あー、うん
後処理おねがい」
目の端には赤い色
「そろそろ璃月観光もおわりかな
家族が恋しいよ」
万遍の笑みの執行官、ある程度長く隣にいることが出来た男は執行官としての笑みとの違いを気持ち悪がることはせず慣れたように
「その事で、先程スネージヤナからお手紙が届いておりました」
「本当かい!」
赤色がつかないよう大事に持っていたカバンから手紙を1つ執行官へ渡す
「テウセルからだ!
久しぶりだなぁ!なになに……
……
…………え」
家族からの手紙なのに笑顔が固まる上司に何か危ないことでも書かれていたんだほうかと少し不安になる男
「…先に北方銀行に戻るよ
少し…いやほんのちょっと……いやだいぶ不味いことになりそうだ」
少し青い顔の執行官
手紙を部下に投げ
自らは崖の上から迷うことなく飛び降り最短距離で北方銀行へ向かう
普段なら絶対中身を見ない上司の手紙
この日ばかり魔が差して見てしまった
【…………
それでね!Aおねえちゃんがお兄ちゃんに会いにいくんだって!ちゃんと案内してあげてね
おねえちゃんから手紙も預かったからみてね!
僕は毎日元気です、お兄ちゃんも元気でお仕事頑張ってね】
ちらりと同封されていた紙もみる
【拝啓アヤックス様
人様の手紙に自分の近況を全く書かず、テウセルからの璃月の冒険譚を聞いて驚きました。まさかテウセルからしか貴方の近況を知ることが出来ないことになるとは思いもしませんでした、ちなみに私は元気です。元気が有り余ってるため少々璃月へ観光に行こうかなと思ってます。
敬具】
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げっそ(プロフ) - スネージナヤ (2023年1月22日 3時) (レス) @page11 id: c5eb216259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むい | 作成日時:2023年1月8日 20時