記憶よ、蘇るのが遅すぎる。【呪術廻戦】 (ページ1)

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ちいとばかり遅いよページ1

渋谷、10月31日ハロウィン。

早々に酔っ払った友人から、迎えに来いとウザすぎる連絡が来て、けれど何となく行かないといけない気がして、法定速度ギリギリで駆けつけた。

多すぎる人混みで吐きそうになりながら、相変わらず見えるよく分からない気持ち悪い奴らと目を合わさないように、サングラスをかけ直した。

携帯を片手に、多分まだシラフであろう友人の友人。背が高くて今日はフランケンシュタインの格好をしているらしい。

「どこだよ…」
とぼやきながら左右を見渡せば、でかいフランケンシュタインのその隣に顔を真っ赤に染めた、ピエロゾンビ姿の友人。

こっちーと、ノッポの高い声が呼ぶ。
でかいから分かりやすくて助かる。

「はいよー」

手を振り、前を歩く時に見てしまった。

空を覆う、帳の影(・・・)。

「…トバリって、なんだよ。」

そうして溢れ出す、前世の記憶(・・・・・)。

気がついた時、俺は思わず立ち止まった。目に映るもの、今までの違和感。

ああつまり、

「渋谷事変ってマ？」

ちょっと、記憶戻るの遅すぎやしませんか。