陸ノ話【朝日の匂い】 ページ6
炭治郎side
皆の匂いがする。
俺の周りを囲んでいる。
「置き去りにしてごめんね炭治郎……禰豆子を、頼むわね。」
待ってくれ!!!!!
「!!」
ガッ
思わず近くにあるものを掴んだ。
目からは雫がとめどなく溢れてくる。
どうやら夢から覚醒したようだった。
あの刀を持った男性に、怒られてそれで……斧を投げた。あの男の人には勝てないと思ったから、俺が死んでその後男の人を倒そうとした。
でも掴んだものそれは禰豆子の着物で……。
どういうことだ?何故俺は死んでいない?
なんで禰豆子は生きている……?
疑問や不安、悲しみが混ざりあって変な気分になった。
「起きたか。」
先程の男性の声が耳に入る。
思わず反射で禰豆子を抱きしめた。それに構わず、男性は続けた。
「狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次という老人を訪ねろ。冨岡義勇に言われてきたと言え。今は日が差していないから大丈夫なようだが、妹を太陽の元に連れ出すなよ。」
その言葉を言い終わった瞬間、男性は先程までいた場所から消えていた。
あの人は”冨岡義勇”と言うらしい。
……狭霧山。鱗滝左近次さん。よし。覚えた。
一度家に帰って、身支度をして進もう。
そう思い立ち上がろうとすると、家の近くに少しだけ残っていた匂いが鼻を掠めた。
朝日のような暖かく透き通った匂いだ。
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紗那(プロフ) - 初めまして、面白くて好きなったんですが、本来なら続くと表示されているのに最後終わりとなっています。この先は続かないんですか? (2021年11月17日 17時) (レス) id: 651dd4d3c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成瀬華夜 | 作成日時:2021年3月14日 7時