皇帝様が年下育成に目覚めたようです。 (ページ40)

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認めてしまえば楽なのか… ページ40

＿Side 千冬

『風呂前で出待ちなんて、千冬ちゃんのえっち〜』

千「ちげぇよ！！」

マイキーくん達は、ゲームやり始めて
すげー本気のバトル始まっちゃったし
なんか暇だなって思っただけ。

断じて泣いていると言われて気になったとかじゃない。

『しょーがないなー、特別に私の部屋に
　ご招待してあげる〜』

千「………。」

『そんな疑う目で見ないでよ。
　喰おうとか考えてないし…
　なんなら、私ってば朝までコース食らって
　クタクタだよ？今日はもういいよ』

千「あ、…っそ」

何でモヤッとしてんだよ俺！！

相手が帝だから気になってるとか思われたくねぇし！！

…いやいや、それもちょっと違うな…
寧ろそれの方がガチっぽくて嫌だわ。

千「悪魔の屋敷みたいな部屋だな…」

『黒って落ち着くじゃん？』

壁紙から家具まで殆どが黒
たまに、赤い物もあったりして
オシャレと言えばそうだけど…
さすがロックやってるだけあるなって部屋だ。

『はぁー…疲れた』

千「自業自得だろ」

『千冬もおいでよー』

千「は？」

ベッドに？

喰われそうで嫌なんだけど。

『今日の私は安全だってば』

その言葉を信じたからなのか
それとも、実は期待してしまっているのか…

俺は、でっかいベッドの端に壁を背にして座った。

千「家に誰か連れ込んでもいいサイズ？」

『ガチでやるなら部屋に男は連れ込まないよ。
　蓮斗の教育によくないでしょー？』

弟には厳しいなんて理不尽すぎるだろ。

『千冬は、少女漫画みたいな恋愛に憧れてそー』

千「はっ？！」

『やっぱ、食パン咥えて曲がり角でゴツンとか？』

千「古典的すぎじゃね？」

『んー…じゃあ何だろ。…難しいね(笑)』

心なしかいつもより雰囲気が柔らかくて
ドキッとしてしまった。

『千冬と居ると、少しだけ自分が
　キレイになれたような気になるの。
　…千冬は私のオアシスだね』

千「なっ…！！」

そう言って、俺の肩に頭を預けた。

『幸せってよくわかんないけど
　千冬には幸せになってほしいよ』

千「なに…言って…」

それ以上は何も返答がなかった。

千「……この状況で普通寝るかよ…」

そっとベッドに寝かせてみれば
思ったよりも幼さ残る寝顔をしてるもんだから
不覚にも胸が高鳴った。

認めてしまえば楽なのか…

結局俺は、オマエの思うツボ…

千「オマエも…幸せになる権利くらいあんだろ」

＊