皇帝様が年下育成に目覚めたようです。 (ページ35)

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＿Side 千冬

星「姉は、死んだ時…お腹に子供がいました。
　それが誰の子なのかは知りません。
　姉の交友関係など、私は知らされてなくて…
　でも、Aちゃんは知ってるんです。
　私がまだ幼かったから言えなかったのか…
　それとも、言えないような相手の子だったのか
　その真相も彼女しか知りません。
　姉は、Aちゃんに全てを背負わせて
　命を捨てたんです」

天月の噂は、まだガキだった俺でも知ってるほどだ。

突然姿を消したことも知っている。

でも…まさか、自殺したなんて…

星「あの時のAちゃんは、まだ11歳でした。
　私は、姉も姉を慕うAちゃんのことも
　大好きだったのに……唯一の肉親である私には
　何も伝えず死んでおいて…Aちゃんに
　全てを背負わせる姉のことを
　心底嫌いになりましたよ」

『星羅…あんまり天音を悪く言わないで？』

ステージを終え、俺達の元へ戻ってきたA…さん？

いやいや、今更かしこまるな！！
コイツは帝だけどアバズレ女だろ！！

『天音はたくさん苦しんだから…
　それに…もう全部片付いてるしね。
　だから、ゆっくり眠らせてあげて』

星「Aちゃん…」

『天音の夢は私が叶えるよ。
　私が、天音の見たかった景色を見せてあげる』

星「何でそこまでするんですか？」

『命の恩人だからかなぁ』

今のコイツしか知らねぇ俺からしてみれば
…命の危機に陥る事象が思い浮かばねぇ……。

『ずっと会いたかった。…ずっとずっと探してた』

星「ごめんなさい…私を引き取ってくれたご夫婦は
　転勤の多い仕事をしていて」

蓮「姉ちゃん、しんみり話すのはいーけど
　まず、その鳴り響く携帯どうにかしろよ」

『………そうね。
　はぁー…ごめん、再会を喜びたいとこだけど
　先に厄介事の処理してくるわ…』

珍しく慌てた様子で走り去って行ったA……さん。

星「姉のこと、貴方達なら知ってますよね？
　教えてください！！お願いです…」

蓮「それを教えたら姉ちゃんがもっと壊れる」

蒼「姫を守る為です。あまり深入りしないでください」

翔「当時11のガキには…荷が重いわなぁ…」

大きすぎる闇を抱えて

それでも、アイツは…
たった1人の夢のために生きるのか。

＊