皇帝様が年下育成に目覚めたようです。 (ページ21)

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それでも必死に生きてるから… ページ21

＿Side 蓮斗

蓮「あれ？姉ちゃんは？」

颯「バルコニーでおセンチタイム」

敎育上よろしくないと判断して
無理矢理マイキーを帰らせた。

まぁ、あのままここに居られちゃあ
いつ蒼が爆発してもおかしくなかったしな。

蓮「何黄昏てんの？似合わねぇんだけど」

『ねぇ、蓮斗……
　…あの子は今も…ちゃんと生きてるのかな』

蓮「姉ちゃん…」

まるで苦痛や苦悩なんてものを感じさせないから
時々忘れちまうけど…

姉ちゃんも姉ちゃんで抱えてるモンがあんだよな…。

『あの2人が私の中で特別な理由は
　私達の秘密を知ってるからだって
　自分に言い聞かせても、そうじゃないって事を
　1番よくわかってるのは自分なんだよね』

蓮「…灰谷？」

『本人達は、そんな事件があったことも
　きっと知らないだろうけど…
　でも、あの2人が殺してなかったら…私がやってた』

狂極のこと言ってんだろ？

『天音に託されたのに…あの子は見つからないし。
　ずっと天音にくっついてるような弱虫だったから
　失ってしまった事で…あの子まで後を追って…とか
　色々考えちゃうんだよね』

蓮「そんな弱気な姿、姉ちゃんらしくねぇよ」

『なーに？慰めてくれんの〜？』

蓮「慰めてもらいたきゃ男のとこにでも行ってろ」

『可愛くないなー』

姉ちゃんが壊れたのもあの日からだった。

そりゃあそうか…

唯一慕っていた人を…目の前で失ったんだから。

最初は、慰めてくれるなら誰でもよかったんだろう。

その延長線上で今みたいなのが出来上がって…
心にぽっかり空いた穴を、誰かで埋めることに
必死なだけだ。

『天音(あまね)と星羅(せいら)…綺麗な名前だと思わない？』

蓮「そうだな」

5年前のあの日…11歳という若さで
姉ちゃんは人生を狂わされた。

それでも必死に生きてるから…

あの日の約束を守るために…生きてるから…
俺は、この人を放ってはおけないんだろう。

例えどこまで堕ちたとしても。

＊