はい、私きっとチートキャラです。

＊ ページ4

＿Side 凛



「おいキヨマサ〜」

キ「あぁ？…！？」

「客が引いてんぞ」



遠くから花垣武道の勇姿を見届けていると
長身辮髪こめかみに龍のタトゥーを入れた男が
彼らに近づいてきた。



凛「アイツは確か…東卍の龍宮寺堅」

『あらら〜…こりゃ大事だ』

叶「後ろにいるのは総長のマイキーっすね」

『へ…？後ろ…？………………なっ！！！』





マ「ねぇねぇケンチン」

ド「あぁ？こういうとこでそのあだ名呼ぶんじゃねぇよ」

マ「どら焼きなくなっちゃった」






ズキュンッ！！！






『はっ…はっ、はわわわわわ…』

叶「おっ、お嬢…？」

凛「ンガッ！！…マズいぞ叶！！発作だ！！！」

叶「へ……？」

凛「犬系イケメンに尊死する病の発作だ！！」

叶「何だよその病名！！！」



お嬢はモテる。昔から異常なほどに。
だから恋愛経験だって割と豊富な方だし
そんじょそこらの男に靡くほどチョロいわけでもない。




ただ…




全てにおいて完成し尽くされていて
非の打ち所がないお嬢にも弱点はある。




それが…






『かわっ、かわっ……可愛すぎる！！！！』

凛「ちょっと黙ってください！！声聞こえちゃいます！」



犬系イケメンだ。



迂闊だった…佐野の顔は知っていたのに…
お嬢のドンピシャタイプだと気づいていたのに…
この厄介な病気のことを忘れていた…。




ド「おい、そこ…誰か居んのか？」




やっべ…これ詰んだだろ！！どうすんだよおい！！





叶「さーせーん
　 かくれんぼしてたら迷子になっちゃって〜
　 なんか物騒なこと始まっちゃって〜
　 ほら、ウチらか弱い女の子だしね？
　 出るに出られなくなっちゃいましたー」



何だよその幼稚園児みたいな言い訳！！

そもそもお前がか弱い女の子だ？！ふざけんな！！
テメェでかすぎんだよ！！タッパだけなら
そこら辺の男子校生よりでけぇだろ！！可愛くねーよ！！
目つきも悪いし喧嘩売ってると思われんだろ！！！



ド「…そうか、気をつけろよ」

凛「へ…？」




バカだったぁぁぁあああ！！相手めっちゃバカだった！

何でこの大根役者以下のゴミ演技信じた？！




叶「はーい、しつれいしまーす♡」

凛「お゛ぇっ！！…叶がぶりっ子…キモすぎる…」

叶「ブツくさ言ってねぇで今のうちに逃げんぞ」

『はぁー…はわわわわーん♡』



なんとか…命は助かった……のか？




マ「ケンチン、なんか熱い視線を感じた」

ド「は？」





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