ままごと。3

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よし。連れ出し成功。

翔くんに気づかれないように少しだけ顔を向け、

降りた車を見る。




お節介かもしれないけど。

好きな人と二人の時間って、嬉しいものだよね。


二人を思うと自然と笑顔が出てしまう。

両手で口を押さえ。にんまり。




でも、それがいけなかった。






翔 「 どうした？ 」




「 えっ。 」




翔 「 にやにやして。なんかおかしいぞ。 ｣






翔くんが片方の眉を下げ、

疑うような目付きで私を見ている。





「 何でもないよ、何でも。 」





寛太くんが翔くんに話すまではぐっと我慢。

話さないっていうのは、きっと何か理由があるんだろうし。


ぷるぷると顔を横に振り、何とか誤魔化そうと全身の神経を集中。





翔 「 俺が行くまでの間に、

あの人に何かされたのか？ ｣




降りた車を顎で指し、冷たい目線を送る。

あの人？ 紺野さんのこと？…






これまで翔くんは誰かの事をそういう呼び方したことはない。

必ず名前で呼ぶ。

少なくとも私は、聞いたことがない。







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