ままごと。3

110 翔side ページ12

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『 Aの車を降りても、駅前の喫茶店で待っていて。

若い子は来ないから、そこなら大丈夫。』



運転に没頭するAの横でスマホにちらりと目を向けると

行人さんからのLINEと、



『 今日の撮影は無し。

明日の早朝に備えておいてくれ。』


マネージャーからのLINEが入っていた。





Aと別れ、車を見送った俺は行人さんのいう店のドアを開いた。



カフェ、とは言えない昔ながらの、と言ったところだろうか。




老夫婦が営むお店らしく、

窓も少ない店内はぼんやりとした明かりが灯り。



さっきAと飲んだばかりで喉も乾いていないが

ブラックボードに大きく書かれた店の名前の付いたブレンドを注文した。



ふとテーブルのメニューに目をやり、

モンブランがあることに思わず笑った。




怒ったり笑ったり、本当に忙しないAは

簡単に俺の心を引っ掻き回す。








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