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「 …ん?覚えるの早ない?なんならむっちゃ上手いやんか 」




私はゲームの習得が早いらしく、もっと手こずってくれると思ったわと不満な顔で睨まれた。




「 川村さんが教えるの上手いんじゃないですか? 」




「 そこは素直に川村さん教えるの上手い"ですね"って言えばいいの〜 」




「 …ちょっと目疲れちゃったかも、 」




ゲームが楽しい…というよりも、少年のように目を輝かせて操作方法を教えてくれる川村さんが面白くて、いつの間にか2時間も過ぎていた。




「 じゃあ今日はここで辞めとくか、なんか飲む?なんかって言ってもコーヒーと紅茶しか客に出せるの出せるのないけど 」




小声でもっと用意しとけばよかったとキッチンで頭を抱える川村さん。




「 コーヒー飲みたいです 」




「 オッケー、ちょい待ってな 」




そう言って鼻歌交じりでコーヒーをいれる川村さん。さすがはボーカル、鼻歌も物凄く綺麗。




いいな、才能があって。…でもきっと、川村さんも底知れぬ努力の積み重ねであの歌声を持ったんだろう。




私も頑張れる何かを探そうかな。普段の辛さも吹き飛ぶような何か。




「 お待たせ…ってなんでそんな神妙な面持ちしてんねん 」




「 え?あ、ああいや、ありがとうございます 」




「 またそうやって抱え込む 」




「 いや、そういう事じゃないんです!少し、前向きな方です 」




そう言うと、川村さんは「え!?」と目を輝かせて私を見る。




「 私も、なにか打ち込めるものを探そうと思います。川村さんにとっての歌やゲームみたいに 」




本気で思ってる。もうあの日みたいに逃げたくない。逃げちゃダメだと思ってる。




こう思えたのはきっと川村さんの存在が居るからなんだと思う。




「 何かしたい事、あるの? 」




「 …今は何も。でも何でもいいんです。物でも、スポーツでも、音楽でも、人でも。私が逃げたいって思う気持ちを無くせるのなら 」




「 へー、何でもええんや 」




その言葉を合図に、川村さんはスツールから私の座るソファに移動して、私のすぐ隣に座った。




「 じゃあさ、神田さんは俺と一緒にいて楽しい? 」




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浦子(プロフ) - kkm1997さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて光栄です(TT) (2022年2月24日 22時) (レス) id: 937c017f8b (このIDを非表示/違反報告)
kkm1997(プロフ) - はじめてコメントします。最近読ませてもらってます。急展開このまま続けてください。楽しみなんで… (2022年2月24日 21時) (レス) @page23 id: 7f4f373820 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浦子 | 作成日時:2022年1月31日 2時

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