No.54 ページ10
「___うぉぉおおおおお!!!!!!」
「プギィ!?」
豚の背中に着地し、無我夢中でその頭部を殴った。
「このっ!このっ!!」
「ねえ、ちょっと。」
何度も何度も折った枝を豚の脳天に振り下ろす。
「僕だって、僕だって__!」
「ねぇってば!」
「ああああああああぁぁぁ_____!!!!」
「おいっ!!!!!!」
「__え?」
怒鳴るような声にハッと顔を上げる。
「アンタさ、何やってんの。」
銀髪の少年が呆れたような顔をして此方を見ていた。
「な、何って_」
「その豚、もうとっくに伸びてるよ。」
「あ…」
見ると、少年の云う通り、豚は僕の下で動かなくなっていた。
「人の獲物、横取りするなよ…ま、おかげで頭が弱点だって分かったけど。」
云い終わるや否や、少年は別の豚に目を向ける。
「よっと。」
「え。」
「プギィ!」
少年が身軽な動きで豚の頭部に手刀を入れる。豚はたちまち目を回して倒れた。その洗練された動きに思わず息を呑む。
「何。」
「あはは…キミ、強いんだね。僕の助けなんか必要なかったみたいだ。」
「は…アンタ、助けに来たの??」
少年が目を丸くして素っ頓狂な声を上げる。
「まあ一応…」
「オレを?」
「うん」
「なんで」
「なんでって…危ないと思ったから」
「は?」
「あ、決して君が弱そうに見えるとかではないんだけど!」
ぶっちゃけ強そうにも見えないけど…と云いそうになるのをぐっと堪える。流石に失礼だろう。
「………。」
少年は目を丸くしたまま、奇妙なものを見るような目でこちらを見つめている。
「えっと…なんか、ごめん?」
「…何謝ってんだよ。」
「え?」
「助けに来たんだろ。なら、堂々としてろよ。バーカ。」
少年はぶっきらぼうに言い放った。気を悪くさせてしまっただろうか。
「……ありがと。」
「え!」
「なんでもねーよ!」
ぷいっとそっぽを向かれてしまったが、豚を担いでスタスタと歩く少年の横顔は少し赤かった。
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マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。はい!ボードの方で仲良くしましょうね!宜しくお願い致します💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» よかったです!これからよろしくお願いします🌸 (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。平気です!ちゃん届いてますし、空欄ではないので大丈夫です!💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» 再度送って見ました!届いてますでしょうか? (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。おけです!ボードの返事お待ちしています。猫ノ栞さん!☺️ (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2018年12月30日 16時