No.42 ページ45
*
「あっれ〜?ゴンの奴、やっぱりいないなぁ…」
「大丈夫、もうすぐ来ますよ。」
「だからなんでそんなこと…って、お前その怪我どうしたんだよ。」
「え?ああ。此れは…代償、ですかね。」
「代償?」
「人を救う為には、それなりの犠牲が必要なんです。」
「は?」
「なんちゃって。先刻大事な鏡が割れちゃいまして。其の破片が刺さっただけです。」
「なんだそれ…」
「それよりもほら。」
「キルアー!Aー!」
「ゴン!」
ゴン君が手を振りながら走ってきます。その隣にはクラピカさんもいて。レオリオさんは__先刻ヒソカさんが担いで来たので大丈夫でしょう。多分。
無事、一次試験は合格出来たみたいですね。僅かながらキルア君の表情も緩んだ気がします。
「一体どんなマジック使ったんだ?絶対もう戻ってこれないと思ったぜ。」
「そうですねー。キルア君寂しそうでしたもんねー。」
「え、そうなの?」
「ばっ…!A、変なこと言うなよ!!」
「事実ですもの〜。」
「あはは。」
「そうそう。レオリオさんは彼処の木の下に…」
「あ!レオリオのこと忘れてた!」
私の言葉を最後まで聞かずに、すっ飛んで行くゴン君。散々長い距離を走ってきた筈なのに、元気ですね。
「レオリオ、大丈夫!?」
「うむ、腕のキズ以外は無事のようだな。」
「てめ…よく顔を見ろ顔を。」
( ( ( あ、ホントだ ) ) )
「とりあえず手当しなきゃ。」
「湿布貼っときゃいいんじゃね?」
「レオリオ、カバン開けるよ。」
「あ、私も包帯貰っていいですか?」
手の傷、大したことないと思っていたのですが、中々血が止まらなくて。
「A、また怪我したの?」
「えへへ。」
「えへへ。じゃないよ、もう!」
「Aの方は私が手当しよう。ゴンはレオリオの方を頼む。」
「そんな、自分で出来ますよ。」
「手の怪我なんて自分じゃ手当しにくいだろう?」
そう言って黙々と手当を進めるクラピカさん。
勝手に気不味くなってるのは私だけ、ですね。
「あの、クラピカさん。」
「ん?」
「先程は…その、変な事を云ってしまって御免なさい。」
「ああ、あの話か…大丈夫、気にしてないよ。」
「本当ですか?」
「湿原の入口の所であからさまに目を逸らされた時の方が傷ついたかな。」
「う…ゴメンナサイ。」
「冗談だ…半分は。」
「もう、からかわないでください!」
「ふふ。ほら、これで仲直りしよう?」
「はい!」
怪我をしていない方の手で、仲直りの握手を。
320人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫ノ栞(プロフ) - 嚠鸝邏さん» コメント&ご指摘ありがとうございます。非常にありがたいです。しっくり来るタイトルが浮かび次第この作品のタイトルを変更させて頂こうかと思います。 (2017年11月28日 8時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
嚠鸝邏 - ごめんなさい、指摘…なのでしょうか?タイトルに就てなのですが、amatoという作者様の、"異能力?いいえ、霊能力です"というものに大変似ておりまして…作成日時は此方の方が新しかったので…ごめんなさい。然し、物語はとても面白いです!更新頑張って下さいね! (2017年11月28日 0時) (レス) id: 4b796ea73d (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - 寝夢@影武者さん» コメント&評価ありがとうございます。この身に余る光栄です。楽しんでいただけたなら何よりです。これからも頑張らせていただきます。 (2017年11月25日 22時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@影武者(プロフ) - 評価100番目踏ませていただきました!着ぐるみシーンが吹き出すほど面白かったです…(爆笑)これからも更新頑張ってください! (2017年11月25日 21時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - ハイチュウさん» この身に余るお言葉ありがとうございます。拙い文章ではありますが少しでも素敵な絵に見合う作品が書けるよう努力させていただきます。 (2017年8月30日 19時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2016年10月23日 4時