No.3 ページ5
「おい、レオリオ。お前は?」
「オレか?オレは…金さ!金さえあれば何でも手に入るからな!でかい家!!いい車!!!うまい酒__」
「品性は金で買えないよ。レオリオ。」
被せるようにクラピカさんが言い放ちました。
辺りに険悪な空気が流れます。
「…表へ出なクラピカ。うす汚ねェクルタ族とかの血を絶やしてやるぜ。」
「…!!取り消せ、レオリオ。」
「レオリオ " さん " だ。」
「__で、嬢ちゃんはなぜハンターになりたいんだ?」
「……え?」
部屋にいた全員の視線が私に向くのを感じました。
いや、船長さん、それ、今この状況で聞きます?
船長のいいから早く言えと言わんばかりの鋭い視線に
私は少し迷った後、ありのままを伝えることにしました。
「…分かりません。気づいたら此処にいたんです。」
「 「 「は?」 」 」
部屋にいる全員が「何言ってるんだコイツ」とでも言いたげな目で私を見ます。
そんな目で見られても、本当に分からないんですもの。仕方ないじゃないですか。
私はただ、理想主義が過ぎる先輩に押し付けられた大量の始末書に飽き…疲れてしまって、ほんのちょっと、ほんのちょっっっっとだけ休憩しようと、何時ものように鏡の中を渡り歩いてお散歩していただけなのです。
そうしているうちに段々と眠くなってしまい…気づいた時には此の船にいて、ゴン君に此の部屋に連れて来られただけなのですから。
つまり、今の私は__
「…お嬢ちゃん、ひょっとして迷子か?」
迷子。そう、つまり、迷子なのです。
勿論、認めたくはありません。18にもなって迷子だなんて知られたら、きっとあの乱歩さんも笑われてしまうじゃないですか。
「…いや、流石にそれはないだろう。この船に乗っている者達はいずれもハンターを志望している者達であって…きっとこの幼い少女も、何かしらの事情や理由があってハンターを目指しているはずだ…」
クラピカさんが真剣な表情で呟きました。
「おいおい、まじかよ。こんな小さい子供がか?……お嬢ちゃん。悪い事は言わねえ、早くお家に帰んな。遊びじゃねえんだ。」
そんなこと云われなくても、帰れるものなら今すぐ帰りたいです。
というか、先刻から何なんですか。私のことお嬢ちゃんだの、幼い少女だの、小さい子供だの…揃いも揃って人のこと、まるで本当に子供みたいに__って、あ。
ま さ か。
そう思った瞬間、グラりと船が大きく傾き、同じように私の体も簡単に傾いてしまいました。
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猫ノ栞(プロフ) - 嚠鸝邏さん» コメント&ご指摘ありがとうございます。非常にありがたいです。しっくり来るタイトルが浮かび次第この作品のタイトルを変更させて頂こうかと思います。 (2017年11月28日 8時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
嚠鸝邏 - ごめんなさい、指摘…なのでしょうか?タイトルに就てなのですが、amatoという作者様の、"異能力?いいえ、霊能力です"というものに大変似ておりまして…作成日時は此方の方が新しかったので…ごめんなさい。然し、物語はとても面白いです!更新頑張って下さいね! (2017年11月28日 0時) (レス) id: 4b796ea73d (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - 寝夢@影武者さん» コメント&評価ありがとうございます。この身に余る光栄です。楽しんでいただけたなら何よりです。これからも頑張らせていただきます。 (2017年11月25日 22時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@影武者(プロフ) - 評価100番目踏ませていただきました!着ぐるみシーンが吹き出すほど面白かったです…(爆笑)これからも更新頑張ってください! (2017年11月25日 21時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - ハイチュウさん» この身に余るお言葉ありがとうございます。拙い文章ではありますが少しでも素敵な絵に見合う作品が書けるよう努力させていただきます。 (2017年8月30日 19時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2016年10月23日 4時