No.2 ページ4
訳の分からない状況を少しでも理解する為になんとか思考を巡らせてみようと試みましたが…寝起きの頭はぼんやりとするばかりで全く役に立ってくれません。
「ほーお、そうかい。ならお前ら2人も今すぐこの船から降りるんだな。」
「…!」
「何だと?」
兎に角…ただでさえ私は今混乱しているのです。そんな状態で訳の分からない試験など受けていられるはずがありません。一刻も早く此の場から失礼して__
「まだ分からねえのか?すでにハンター試験は始まってんだよ。」
__駄目でした。何かもう始まってました。あは、泣きたい。
「星の数ほどいる志望者を全部審査できるほど試験官に人的余裕も時間もねぇ。そこでオレ達みたいなのが雇われて志望者をふるいにかけるのさ。
お前らが本試験を受けれるかどうかはオレ様の気分次第ってことだ。細心の注意を払ってオレ様の質問に答えな。」
「………私は」
暫しの沈黙の後、意を決したようにクラピカさんが口を開きました。
「クルタ族の生き残りだ。」
「!!」
「4年前私の同胞を皆殺しにした盗賊グループ、幻影旅団を捕まえるためハンターを志望している。」
ドクン、と私の心臓の音が大きくなりました。
「
手が、冷たい__目眩がする。
そもそも、私はハンターというものが何なのかよく分かっていません。
けれど、それでも、彼の動機が復讐であるということと、彼が本気であるということだけは分かります。
だって__
「死は全く怖くない。一番恐れるのはこの怒りがやがて風化してしまわないかということだ。」
__志望理由を語るクラピカさんの瞳は、あの時の、彼の人によく似ていたから。
彼もまた、
「ねぇ、大丈夫?」
「え…?」
ゴン君が心配そうに私の顔を覗き込んでいました。
「顔色悪いよ。どこか痛いの?」
「いえ…大丈夫です。」
大丈夫、大丈夫、大丈夫……自分に何度もそう云い聞かせると、少しずつ体に体温が戻って来るようでした。
真逆こんなことで平静さを失ってしまうなんて。参ったなあ…
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猫ノ栞(プロフ) - 嚠鸝邏さん» コメント&ご指摘ありがとうございます。非常にありがたいです。しっくり来るタイトルが浮かび次第この作品のタイトルを変更させて頂こうかと思います。 (2017年11月28日 8時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
嚠鸝邏 - ごめんなさい、指摘…なのでしょうか?タイトルに就てなのですが、amatoという作者様の、"異能力?いいえ、霊能力です"というものに大変似ておりまして…作成日時は此方の方が新しかったので…ごめんなさい。然し、物語はとても面白いです!更新頑張って下さいね! (2017年11月28日 0時) (レス) id: 4b796ea73d (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - 寝夢@影武者さん» コメント&評価ありがとうございます。この身に余る光栄です。楽しんでいただけたなら何よりです。これからも頑張らせていただきます。 (2017年11月25日 22時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@影武者(プロフ) - 評価100番目踏ませていただきました!着ぐるみシーンが吹き出すほど面白かったです…(爆笑)これからも更新頑張ってください! (2017年11月25日 21時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - ハイチュウさん» この身に余るお言葉ありがとうございます。拙い文章ではありますが少しでも素敵な絵に見合う作品が書けるよう努力させていただきます。 (2017年8月30日 19時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2016年10月23日 4時