狩人のすゝめ

No.26 ページ29

谷崎さんの教えが通用しないとなると、
此の状況から抜け出す方法はもう実力行使しか残されていないでしょう。

気が進みませんが…やむを得ませんね。

幸い、此処は地下道。
古い配管から漏れ出た水で小さな水溜まりが彼方此方に出来ています。

流石に私が出入りできる程の大きさのものは有りませんが…ちょっと異能を使って、ちょっとヒソカさんの気を逸らすのには充分です。

そうとなれば早速実行。

思い立ったが吉日、善は急げです。


【⠀異能力：カガミアソビ⠀】

《壱、数メートル先に見える水溜まりを私は鏡として“ 認識 ”します。

弍、その鏡(見た目はただの水溜まり)をヒソカさんが通り過ぎた後に割ります。

参、そうして出来た硝子の破片を操り、傷があまり深くならない程度に後ろからヒソカさんを切り裂きます。

肆、ヒソカさんが驚いて腕の力を少し緩めた隙に頑張って抜け出します。

(※注 此の時、証拠を残さない様に異能は必ず解いておきましょう。)

伍、そして全速力で最前列の方へ走ります。》


以上です。みっしょんこんぷりーと。
やりました。いぇい。

一連の流れを如何に迅速に行うことが出来るかがコツですね。

此の小さな体は人混みに紛れ込むのには打って付け。そう簡単には見つからないでしょう…多分。


正直、ヒソカさんが腕の力を緩めてくれるかどうかは賭けでしたが…なんとかなった様です。




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｢うーん…残念♡ 逃げられちゃった♢｣

｢逃がしたんじゃなくて？｣

｢ククク…見てよ、コレ★｣

｢その傷…｣

｢不思議だよね♣
ついさっき出来たばかりのものさ♢
でも肝心の凶器がどこにも見当たらないんだ♠
一体どこに消えちゃったんだろうね？｣

もしかして、彼女が……？
ああ、考えるだけで

｢ゾクゾクしちゃうなァ…♡｣

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