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you said
お父さん母さん、今日は帰ってくる。
お父さん悪い、しばらく帰ってやれなくて
今日はお母さん、帰ってくるんだ。
そうお父さんから連絡があると
つい、先生のところに行ってしまう。
先生はこれから結婚して
子供も生まれて
幸せな生活を送るのに。
(先生にとって、私は迷惑以外の何者でもないよね、)
だから、せめてもの感謝として
毎回夕食を作ってる。
(でも、今日は遅いな…)
連絡が来てないか確認するも来ていない。
(…来るまで、待とう。)
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誰かに、頭を撫でられている。
私、寝ちゃったんだ。
「…何があったん?」
…せんせい?
「…A、いつか俺に言ってな、本当のこと」
これは夢なのか、それとも現実なのか。
意識がはっきりせず、声だけが聞こえる。
でも今、Aって…
先生、私のこと名前で呼んだ?
そう気づくのに、結構時間がかかった。
現実かも分からないのに
先生に呼ばれたってことだけにドキドキしてる。
「いただきます」
「うん、美味い」
先生は飲んできて夕食を食べるのもキツいのに、
どうしてそんなに嬉しそうな声でいただきます、って言うの?
どうして、私なんかの料理を美味いって言ってくれるの?
『…っ、』
はじめての感情に動揺してる。
涙が止まらない。
ソファの生地には涙が染みてて、
声を出すのを我慢するのも大変だった。
『…せんせい、』
どうかこれが、夢じゃありませんように。
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作者名:めい | 作成日時:2017年12月16日 15時