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ピンポーン
あ、卓さんや。
大分時間がかかってる。
口づてに伝えたから迷うのも同然だ。
「はぁー、超疲れたわ
あの十字路とこらへんから分からなかった」
「…だから卓さんが終わるまで待ちますよって言うたのに」
「人に迷惑を掛けられない男なんよ俺」
「…急に今日呑もうとか言い出したくせに」
料理なんてできひんからコンビニで買ったちょっとしたものとおつまみと缶ビール。
出掛けるよりも気楽でええけどな。
「んで?神崎先生のビールかけ事件はどういうこと?」
「……あー、まぁ…
…………悪く言ったんすよ」
「え?遥輝の事を?」
「ちゃいますちゃいます、…佐々木Aのことを」
佐々木の名前を出すと卓さんのおつまみを摘む手が止まった。
顔をしかめてから
またおつまみを掴み出した。
「……虐待疑惑の子か」
「"大変ですよね〜あの子"
"一応女の子だし"
………ホンマ、ありえへんっちゅーの」
「…先生らしからぬ発言やな」
遥輝がビールぶっかけたくなる気持ちも分かるけども、
そう言った卓さんの発言の後の続きは
予想できた。
「…もう少し大人になれって」
「…分かってるんです、大人げないって」
「ホント、やんちゃな学生かっての」
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作者名:めい | 作成日時:2017年12月16日 15時