偽装恋愛【nrs】 (ページ3)

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お皿いっぱいにポテトが盛られていてその隅にあるケチャップをくいっと人差し指で抜き取ってポテトでペロリと舐める。ケチャップ食べたら太りそうだなあ、とかそんなの関係ない。今日くらい許してほしいくらいだ。

「ケチャップって太るよね」
『なるせくんまでそんなこと言うの』
「他には誰に言われたの？」
『そらるくん』
「ああ……」

そらるくんの名前が出てきた途端、気まずそうな顔をして辺りをキョロキョロし始めるなるせくん。絶対嘘つくの下手なタイプだ。動揺してるのバレバレ。一周回ってというか元々かわいい。

ポテトいる？太るからいらない。ああ、そう

今朝あんなことがあったのも忘れてゲラゲラ笑って、久しぶりになるせくんと話した。

久しぶりっていうのはなるせくんが私を毛嫌いしていると思ってなるべく関わらないようにしてきたからだ。そらるくんとなるせくんは仲が良くて、だから私に嫉妬してるんだとばかり思っていた。

「俺、そらるさんが好き」
『知ってるー』
「だけど、こればっかりは許せない」
『あはは』
「ばか！ばか！そらるのばかあ！」
『ちょ、声大きいって』
「ああ、ごめっ」

何人かのお客さんがこちらを振り向いてうるさいなあ、みたいな顔をする。視線が私からなるせくんに移って、あの人可愛い！ってわいわいしてる。うわー……。

皆んな顔だよね。きらきらした可愛い女の子見て媚び売るくせに私見たら雑な扱いするよね？なんでだろね！！！

なるせくん悪くないのに睨んじゃった。あらら、ごめんなさい。

「こわい」
『ごめんなさい』