偽装恋愛【nrs】 (ページ2)

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なんでか分からないけど仲良く2人で支え合いながら出勤して上司に勘違いされ、成り行きとか言って誤魔化して、ぼーっとしていたらあっという間に昼休みに。

Aちゃん行こ、って追い込まれたうさぎみたいな顔をしたなるせくんに手を引っ張られ、その手にぎゅうっと力を込めながらおどろおどろに着いていく。

あれれ？って首を傾げてこちらを見て不思議そうにする皆んな。なるせくんはいつも美佐ちゃんといるのに。Aちゃん今日は一ノ瀬くんと一緒じゃないみたい。なんて言って、楽しそうに盛り上がってる。

「笑いものにされてるみたいで泣きそう」

目にいっぱい涙が溜まっていて、真っ赤に充血している。相当ショックだったのか毎日綺麗にセットされていた髪はボサボサ。無造作ヘアーっていうの？それでも、なるせくんみたいな可愛いお顔してるとあんまり気になんない。

この落ち込みぶりからしてなるせくんは、美佐ちゃんのことが好きだったってことだよね。そらるくんとられて悲しいとかないだろうしな。

あんなに仲良かったんだし、両想いだと錯覚もしそうだ。

私だって。

『そらるくんに彼女ができるなんてそんなこと思ってもいなかった。ずっとこのままだって安心しきってた』
「うん」
『でも違うよね。そらるくんも私と同じ考えなわけない』
「そらるさんは、Aちゃんのこと好きだよ」
『うそ』
「嘘じゃない」

もう一度うそじゃないよ、って真剣な瞳でじぃっと見つめられてどうしたらいいか分からなくて動揺する。

ありがと、なんて言うと昨日ぶりの幸せそうな顔をしてにししって笑った。

ほんの一瞬だったけど。

『でも私はそらるくんのこと好きじゃない』
「それこそ嘘だよ」