いやよいやよも好きのうち【青】

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「おいで？」


にっこり微笑むころんの胸に飛び込んで、幸せそうにふふ、って笑う。離れないようにぎゅっと繋いだ手は寒い冬でも温かく感じられて、とにかく毎日が幸せだった。


もちろん、今の話じゃないけれど。




「ほら、置いてくよ？」


涼しい顔して私を置いて帰ろうとスーツのポッケに手を突っ込んでスタスタと歩いていくころん。高校の時と癖が変わらないとこがまた愛おしいけどね？パーカーのポッケによく手入れてたの思い出すけど、それが彼女に対する対応ですか？？



と、心の中でツッコんでおいて負けじと早歩きでとなりに並ぶ。手繋げるかな？って思ったら、無理矢理手が引かれて「さむい！」という言葉と共に繋がれた私のおてて。


ごめん、嫌じゃなかった？って控えめに笑いながらそう言うころんは何処へ行ったんだ、とショックを受けている間に我が家へ着いた。同棲してから1年。まだあんまり慣れない。



「ご飯どうするー？」
『ん、作ってーー』
「りー」



頭の悪そうな会話をしたあとにソファにどぶん！と飛び込んでカバンから取り出したスマホを弄くり回す。



浮気する男の特徴！

あなたの彼氏は大丈夫？

どれくらい浮気する男が多いのか！



ぬおう、なぜ私が開くアプリには浮気関係の広告が多いのだろうか。私が彼氏について悩んでること見透かされてる？すげー！


感心しながらテーブルまで行ってころんが料理している姿をこっそり盗み見る。




うん。ないな。


Mだしこんな様子だし、まだ浮気する段階じゃない。大丈夫だ、うん。




「できたぞぉー」
『ほーい』



大丈夫、だよね。

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