彼の呪縛 ページ2
Friskside
パチリと目が覚めて、知らない天井が目に入った。数回瞬きをした後にゆっくり体を起こして周りを見渡した。
正面に見えたのは遺跡であったお化けのブルック君で
きょろりと見回して目当ての人物を見つけた。
自分とすぐ側の壁にもたれかかって眠るAさんはドロドロで、足も濡れている。
頬についた泥を拭おうとしたのに体は違うほうを向いた。
「あ、目が覚めたんだね…
ずっと寝たままだったから、心配してたんだ。
その子もずっと君のことを気にかけてたよ
疲れて眠っちゃったみたい、だけど」
「久しぶりだねブルック君!ここ君のお家?」
「うん、君も眠ってたし、大変そうだったから。
招待してみたんだ…よかったら、ゆっくりしていってね」
「ありがとう!…Aさん、大丈夫かな?」
「随分疲れてたみたい、少し寝かせてあげるといいよ」
意志とは関係なく動く口、動くからだ。
僕の体に巻きついた見えない糸がぼくを動かす。
部屋の中を一通り見終わって、まだ眠り続けるAさんの元へ戻ってきた。
チェックボタンが押されてAさんの状態がテキスト表示される。
「*ぐっすり眠っているようだ
まだ目を覚まさないだろう」
『まじかーここで一旦離脱なんだ。
ボス戦は参加しない仕様なのかなぁ。
ガスター遭遇したくて周回してたけど
激レア隠し√始まってテンション上がるわァ!』
頭の中で聞き飽きた誰かの声が響く、ケラケラと楽しそうな声はそれ以上Aさんを調べることは無く外へ足を進めた。
「あれ、起きるの待たなくて、いいの?」
「まだ疲れてるみたいだから、もう少しお休みさせてあげて!僕は少し先で待ってるから!」
「そうなんだ、わかったよ。そう伝えておくね」
そう呟くブルック君に手を振って家を出た。
あの声はまだ響いている。
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にゃーちゃん - ふぁぁぁ…!!!!!好きです!とても尊くて面白いです…!!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年8月29日 11時) (レス) @page3 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキノシタ2 | 作成日時:2022年4月28日 4時