・ ページ47
・
湧「うっわ、」
Aに連れられてやって来た街中。
きらきらと光るそこに圧倒される。
『もうイルミネーションの季節なんだもんねぇ』
湧「お前こういうの好きなの」
『好き！』
急いで来たからってドラマ仕様のままなAの顔。
いつもより大人っぽいメイクの施されたそれはまだ、見慣れない。
『ほんとはさぁ、連絡しよっかなぁって思ったのよ』
湧「、ん」
『けどやっぱ直接言いたいなぁって思って。..…..うん。
大人になりたてほやほやな湧ちゃんの顔、見ないわけにいかないし、？』
湧「どんな顔だよそれ」
『んー分かんない』
ふざけてんなこいつって思うけど嬉しくないはずなくて。
簡単に緩んでいきそうな頬をどうにか抑えた。
『もう大人なんだね』
湧「まあな」
俺が先に歳をとることが不服なのかなんなのか、口を尖らせてこっちを見るからやっぱり可愛くてあざといのはこいつの得意技だなんて分かってるのにぎゅっと胸が掴まれる。
って女子かよ俺は。
なんか悔しくて伸ばした手。
真っ白で華奢なその手のひらに触れた。
『っえ』
湧「.........俺もう子どもじゃねえし、？」
指を絡めてコートのポケットに持っていく。
行き交う男女の距離の近さをいつもなら恨めしく思うことしか出来ないけど、でも今だけは。
俺らがきっと、手に入れちゃいけない幸せ。
だけど形だけでも、想い合う二人に見えるよう望むことすら許されないんだろうか。
湧「あのさ、」
『、ん？』
電飾の光がAの長い睫毛に跳ね返る。
過ごした時間の長さだけじゃ敵わないものが、沢山あった。
湧「.........俺ら、でっかくなろうな」
綺麗に巻かれた栗色の髪が靡く。
ふわりと笑った。
『当たり前じゃん』
茶化すことも誤魔化すこともなく、ただ真っ直ぐにそう言ったA。
見た目の可愛さとか才能とかそういうことじゃなくて。
俺はこういうところを好きになったんだと思い出させられた。
そんな、大人の始まり。
・
湧ちゃんお誕生日おめでとう！
とてもハタチには見えないかわいさ.....
みなさん今日はまだ11月26日です
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 409人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らら(プロフ) - 香花さん» いえこちらこそです！相変わらずゆっくりの更新ですが楽しんで頂ければと思います。 (2022年1月31日 21時) (
レス) id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - ご丁寧にありがとうございました！無事お話を読むことができました。これからも楽しみにしています。 (2022年1月31日 15時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 香花さん» コメントありがとうございます 。準備中でしたので鍵をかけておりましたが移行が完了しましたので先ほど公開させて頂きました。このままお楽しみください。 (2022年1月31日 10時) (レス) @page50 id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - はじめまして。お話の続きが読みたいのですが、パスワードのついた作品を読むのが初めてで、どうしたら良いのか分からないので教えていただきたいです。 (2022年1月28日 16時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らら | 作成日時：2021年5月21日 12時
