揺れる ページ19
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もう夜だからと大人に帰されたメンバー達は病室を出る間際までわたしのことを心配そうに見続けていた。
せっかく隠してたのに結局あんな顔をさせてしまった自分に腹が立ったし、レッスンに穴を開けてしまったんだと思うと申し訳ない気持ちが込み上げる。
皇輝くんには自分のことだけ考えててって言われたけど、仕事をさせて貰っている身としてそういう訳にはいかないんじゃないか、なんて。
色んなことが頭の中をぐるぐると回って落ち込む。
ご飯を食べてないことが原因だってことくらい、自分でも分かってた。
だからこの後お医者さんから言われるであろう食べろって言葉を想像して、身震い。
絶対に、食べたくない。
倒れる直前までやっていたあのレッスン中、いつもの大きな鏡に映った自分を見て、まだまだだと思った。
それはパフォーマンスだってそう。
だけど何より体型はまだ、男になりきれていなかったから。
それに気付いたその時頭が真っ白になって。
きっとそこで倒れてしまったんだと思う。
迷惑かけて、ごめんね。
ありがとう。
食べ物を拒否し、体重の増加を恐れることによる食行動の異常。
あの後やってきたお医者さんに、いわゆる「拒食症」であることを告げられた。
「摂食障害」という言葉に困惑する。
意味が分からなかった。
わたしはただ、元の体型に戻したいだけで。
アイドルとして、皆と同じように歌って踊るために食べていなかっただけ。
そのはずなのに。
ゆっくり治していきましょうね、なんて言葉に不信感が募った。
これは、わたしの努力なんじゃないの？
何にもおかしなことなんかじゃない。
そう思うのに認められていない気がして怒りすら湧く。
何ひとつ受け入れられないままお医者さんの説明が終わった。
真っ白なここにひとり置いてけぼりにされたような錯覚に陥る。
納得のいかない頭で隣にいたマネージャーさんに聞いた。
『わたし、明日のお仕事なんでしたっけ』
聞かれるのは分かっていたとでも言うようにふぅっと息を吐いた彼女。
もう何年も一緒に居てくれているこのひとのこんな表情を見るのは初めてだった。
「お仕事は、しばらくお休みにする」
力強く言われたそれは相談でも話し合いでもなく、
ただ、決定事項を伝える言葉だった。
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らら(プロフ) - 香花さん» いえこちらこそです！相変わらずゆっくりの更新ですが楽しんで頂ければと思います。 (2022年1月31日 21時) (
レス) id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - ご丁寧にありがとうございました！無事お話を読むことができました。これからも楽しみにしています。 (2022年1月31日 15時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 香花さん» コメントありがとうございます 。準備中でしたので鍵をかけておりましたが移行が完了しましたので先ほど公開させて頂きました。このままお楽しみください。 (2022年1月31日 10時) (レス) @page50 id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - はじめまして。お話の続きが読みたいのですが、パスワードのついた作品を読むのが初めてで、どうしたら良いのか分からないので教えていただきたいです。 (2022年1月28日 16時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らら | 作成日時：2021年5月21日 12時
