わたしだけの隙間 ページ15
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まともに食事を摂らない生活が続いてもう2ヶ月が経とうとしている。
家でのご飯は、親に仕事のときに食べてきたからなんて誤魔化してどうにか避けてきたけどそれもそろそろ限界で。
怪しまれない為には食べるしかない。
だけどもう、身体が受け付けてはくれなかった。
この2ヶ月で食事を摂らないことがどれだけ身体に負担のかかることなのかなんて痛いほど分かってる。
レッスン中に息が上がるのが早くなったしふと鏡に映った自分の姿を見る度に青白い顔色にぎょっとする。
幸い、今度披露する曲のユニット分けで皇輝くんや湧とは別になったから話している時間はなかった。
でも、きっとバレてるんだろうなと思う。
少し前には光成に何かあった？なんて聞かれたわたし。
放っといてって肩に置かれた手を振り払った。
そんな態度を取ったのは初めてで。
光成は一瞬目を見開いた後、何も言わなくなった。
そんなことをした自分に驚いて、呆れて。
ごめんねなんて言えないまま、時折心配そうにわたしを見る視線だけを感じている。
心が荒んでいくのを嫌というほど実感した。
流石に食べなきゃ、と思えば思うほど受け入れられなくなっていく身体。
家や雑誌の撮影現場で出される食事やお弁当は見るだけで吐き気が込み上げた。
でも、食べないと怪しまれる。
親やスタッフさん、そして何よりメンバーを不安にさせる。
そんな場では異物にしか感じないそれを必死に飲み込んでひとりトイレに走った。
これが初めて、他がみんな男の子でよかったと思った瞬間かもしれない。
絶対に誰も入ってくることのない女子トイレでは漏れる嗚咽も、独特なその篭った匂いも感じ取られる心配はなかった。
そうすることしか出来ない自分が虚しくて数え切れないほど独りで泣いた。
誰もわたしを救ってなんかくれない。
ううん、自分から救いの手を避けて、突き放してきた。
どうしてこうなってしまったんだろう。
わたしはただみんなとアイドルでいたかっただけなのに。
どんどん不安定になっていく心。
だからといって辞めることなんて出来ない仕事はたくさん舞い込んできて。
有難いことのはずなのに、素直に喜べない自分がまた嫌になった。
全部全部、ぼろぼろで、ぐちゃぐちゃで。
真っ暗な時間と時間の隙間にわたしだけが置いていかれたみたいだった。
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らら(プロフ) - 香花さん» いえこちらこそです！相変わらずゆっくりの更新ですが楽しんで頂ければと思います。 (2022年1月31日 21時) (
レス) id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - ご丁寧にありがとうございました！無事お話を読むことができました。これからも楽しみにしています。 (2022年1月31日 15時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 香花さん» コメントありがとうございます 。準備中でしたので鍵をかけておりましたが移行が完了しましたので先ほど公開させて頂きました。このままお楽しみください。 (2022年1月31日 10時) (レス) @page50 id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - はじめまして。お話の続きが読みたいのですが、パスワードのついた作品を読むのが初めてで、どうしたら良いのか分からないので教えていただきたいです。 (2022年1月28日 16時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らら | 作成日時：2021年5月21日 12時
