ラムネ色 (ページ9)

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颯「おれ、Aのことがすきだよ」

そんな事を言われたのは高２の夏。
夏休みが始まる直前の金曜日だった。

いつものように向かったベンチで前触れもなく発されたその言葉。

いや、ほんとはどこかで気付いていたのかもしれない。

今年になって、私は突然告白される事が増えた。
好きだ、付き合って欲しいと数人の男の子が言ってくれた。

特にその中に好きな人がいた訳でもなかったので全部お断りしてしまったが、とても有難い事だったし気持ちは素直に嬉しかった。

別にわざわざ伝えることでもないと颯太には何も言っていなかったのだけどやはり小さな学校。
どこから聞いたのかそんな日は決まって颯太のご機嫌は斜めで。

不貞腐れたような顔でその男の子のことを睨みつける颯太を翔馬がいつもケラケラと笑って見ていた。

『ねぇなんで颯太が怒ってんの！？』

そう聞く私に翔馬は言った。

翔「えぇー？そのうち分かるよ」

･･･分かりたく、なかったな。

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