ラムネ色 (ページ8)

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漁師になれば？ページ8

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あのまま、何も無かったように夜が明けて今いるのは内村家。

颯「宿題終わんないー！！」

なんて叫ぶ颯太に連れられて来たこの部屋で当の本人は漫画に夢中だ。

『おいこら、宿題は』

テーブルの上に広げられただけで放置の参考書でベッドを転がる頭を叩いた。

颯「あとでするー！」

･･･あっそ。知らないからね。

高校生になってまで幼馴染みの宿題の面倒みてられるかっての。

ねー、と小さなお魚に話しかける。

魚なんて珍しくも何ともないこの島で、颯太は魚を育てるのが楽しくて仕方ないらしい。

せっせと水槽の水を入れ替える颯太に前に言ったことがある。

『颯太も漁師なればー？』

むりだよぉ。おれ体力ないし。と即答されたけど。
漁師なんて魚育てる仕事みたいなもんなんだから颯太なら楽しくやれそうなのに。

不思議だねー？とまたお魚を覗き込む。
すぐそこの海と同じ、ラムネ色の水槽の中でこの小さな魚たちはもう5、6年生きていた。

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