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颯「え、」
形のいい小さな唇から零れ落ちた音。
男の子の癖にたぶん私より長い睫毛を揺らして、ぱちぱちと瞬きをした。
颯「ほん、とに？」
『この期に及んで嘘つかないよ』
そんな可愛げのない返事をした私に、真っ白な頬を一筋の涙が伝った。
『え、ちょっと待って泣くの！？』
颯「泣かないよ！」
『いや泣いてんじゃん！』
颯「っだって、…ずっとすきだったんだもん、Aのこと」
そう言って全体重を預けるみたいに抱きついてきた颯太。
『わ！もー重いって！』
真っ直ぐ過ぎる愛情表現に心臓が止まりそうだった。
『ねぇ私なんかでいいの？』
私の肩に顎を乗せてぐすぐす言ってた颯太の動きが止まった。
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作者名：らら | 作成日時：2021年5月4日 13時
