自己嫌悪 ページ34
お宝探しから帰ってくると何だか食堂が騒がしかった。何かあったのか気になって扉を開けるといつもより強い酒の匂いが鼻にこびりついた。
「シャシャはね!あたしの後輩なの!」
「はぁ?あたしの後輩ですぅー」
どうやら酒に酔ったロレッタとジュジュビが言い合いをしているようだ。
でもなんの事で…
『ラビット、2人ともどうしちゃったの?』
「あのなシャシャは誰の後輩なのかで喧嘩してるんだ」
ラビットは呆れた様子で遠くから眺めていた。ロレッタとジュジュビの喧嘩はピークになると誰も止められなくなってしまうので止めるなら今だと思った。
「じゃああんたはシャシャに何かしてあげたことあるの?!」
「あたしはこないだシャシャと一緒に挨拶交わしたし!ちゃんとにゃ〜ん♡ってやったし!」
「それだけ?あたしはね、この旗を持たせてあげたんだ、特別にね!」
そう言ってジュジュビエーヌは立ち上がり旗を掲げた。それを取ろうとしたロレッタが立ち上がり旗に触れる。
「こんなの、あたしにも触れるしっ、」
「触んじゃないよ!!」
ジュジュビエーヌの怒鳴り声が食堂中に響き渡る。目には涙が浮かんでいた。
「もう、、知らないっ」
酒の入ったグラスを音を立てて置いて食堂を出ていってしまった。
はぁ、どうしよう…
周りの海賊は口を開けてその様子を眺めているだけだった。
「はぁ…」
ロレッタは椅子に座り込んでグラスに残ってた酒を飲み干すと顔を伏せてしまった。
そして私は食堂から出ていってしまったジュジュビエーヌを追いかけた。
『ジュジュビ?入るよ?』
部屋の扉を開けると旗やらバンダナやらを床に投げ捨ててベッドにうつ伏せになってるジュジュビエーヌがいた。
『寝てる?』
ベッドの縁に腰掛け髪を避けてみると涙のあとを残してスヤスヤと眠るジュジュビエーヌの顔があった。
いつもは私も後輩の立場だから先輩のジュジュビエーヌを慰めるのはなんだか新鮮で嬉しかった。
でも少しだけ、私のことで争ってくれたらな…なんても思ったりもした。
私も先輩が取り合いするくらいの優秀な後輩になりたかった。
大好きな先輩が後輩のシャシャのことで争ってるのが嫌だった。
なんだか、憂鬱だった。
『ジュジュビの後輩は…私じゃダメなのかな』
目の前がぼやけてきて頬に冷たい感覚がある。
悔しくて、今までの努力が全て無駄になるかのように溢れてくる涙。
それを止められないままひたすら自問自答する自分が情けなかった。
ラッキー海賊
チャンウー
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Tina_22(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます! (2019年9月10日 13時) (レス) id: 5c6a23ff5f (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白いですね!続き楽しみにしてます! (2019年9月9日 23時) (レス) id: d253472ad9 (このIDを非表示/違反報告)
Tina_22(プロフ) - まやさん» ミステリーな感じで終わらせたかったのでご想像にお任せします。 (2019年8月20日 17時) (レス) id: 5c6a23ff5f (このIDを非表示/違反報告)
まや - 醒めない2ってどういうことなのでしょうか?ほんとは夢じゃなかったってことですか?わからなくてすみません。 (2019年8月18日 14時) (レス) id: d151b419d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティナ | 作成日時:2019年3月26日 14時