臆病者 ページ23
俺は気づくといつもあの子を目で追ってる。
そんなつもりは無いのに何処か心の奥底でいつもあの子のことを思っている。
どうしてなんだろう。
『ねぇ、ゴールド！あっちでトリックとクリスがトランプゲームやってるんだけど一緒にやらない？』
こんなにキラキラの笑顔を向けられたら誰もが惚れてしまうのではないか。少し心配になったもののいつの間にかこの笑顔を自分のものにしたいと思う自分がいた。
「いいぞ。やりに行くか」
自分からやると言ってついて行ったが、俺はゲームがどちらかというと苦手なほうだった。
「(くっそぉぉ)」
今、俺の手の中にはダイヤの6とジョーカーが残されている。ここでAがジョーカーを引かなければ俺は負けてしまう。ちなみにトリックとクリスは先にあがっていた。
『やったぁあ！』
残念ながらAはダイヤの6を引き当て、俺が負けとなってしまった。
「お前もなかなかの腕前になってきたんじゃねぇのか？」
『でしょでしょ！』
Aとトリックがハイタッチをして喜びのオーラが溢れだしている。
「いーなぁ。俺もあんな風にしたい」
「心の声が丸出しだぞ」
「うわぁ！びっくりした」
呟いたつもりがないのに何故かクリスには聞こえていたみたいだ。
「恋っていうのはいいよなぁ。まだまだ若い証拠だよ」
「そうかな…。俺、Aのことが好きってか気づいてから話しかけることができてなくて」
「ゴールドは消極的すぎるんだよ。そうだ、この本の謎を解いて気分転換てのはどうだ？」
「すまないが俺まだ仕事があるんだ。また今度にするよ」
自分の部屋に戻ったものの頭の中はAのことでいっぱいだった。
トリックがAに話しかけるように俺もAに話しかけたい。
俺の中にある好きっていう気持ちをAに伝えたい。
Aを自分のものにできたらどれだけ幸せなのか。
そんなことは何百回と考えたのに俺は何一つできていない。
俺は恋に向いていないんだ。
その日から俺は寂しさと悔しさを紛らわすためにAを避けるようになった。
『ゴールドー！今日の夕飯何か知ってる？』
「知るかよそんなの」
『聞いて、私の好きなシチューなの！』
「だからどうしたんだよ」
こんなくだらない会話、きっと俺の事もどうでもいいと思ってるんだろ？
俺からだんだん離れていく彼女を見て悔しがる自分がいるのが嫌で仕方がなかった。
ラッキー海賊
チャンウー
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Tina_22(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2019年9月10日 13時) (
レス) id: 5c6a23ff5f (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白いですね！続き楽しみにしてます！ (2019年9月9日 23時) (レス) id: d253472ad9 (このIDを非表示/違反報告)
Tina_22(プロフ) - まやさん» ミステリーな感じで終わらせたかったのでご想像にお任せします。 (2019年8月20日 17時) (レス) id: 5c6a23ff5f (このIDを非表示/違反報告)
まや - 醒めない2ってどういうことなのでしょうか？ほんとは夢じゃなかったってことですか？わからなくてすみません。 (2019年8月18日 14時) (レス) id: d151b419d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティナ | 作成日時：2019年3月26日 14時
