23話 ページ25
あぁ、嫌なことを思い出した
歓喜するチームZ
皆が笑顔で
圧倒的不利な状況で勝つということの快感はよく知っている
私はいつもその状況だった
ただただ男子のプレーのような
力強くて華麗なプレーがしたかった
女子の選手でそういう人がいなかったわけではない
女子チームにそういうプレーがなかったわけではない
だがそれは少なかった
幼稚園前からサッカーをしてきた
小学生卒業までの男子と女子の境が曖昧な部分で私は男子とサッカーをプレーをしてきた
女子チームでは得られないそのプレー
その快感に溺れて
決して心が男子だったわけではない
本当にただ男子のプレーが好きだったんだ
けど、やはり性別の差は歴然
力量も足の速さもドンドン追い越されていく
それでも食らいついた
どうしてもその中でゴールを決めたい
だが差だけが私を阻む壁ではなかった
それはまわりからの目
男子の中に女子がいる異質さに誰もが変な目を向けた
否定された
周りが私がこのサッカーをすることを否定した
私が好きなことをすることを
私が私でいることを
非難した
それだけなら私はよかった
でも
それを間近で
何故そんな目を向けるのか
わかってしまったら
私は私でいることが怖くなった
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作者名:ソバチャノ | 作成日時:2024年2月8日 17時