22話 ページ24
それでも…
「できません。」
絵心「理由は」
「理由も何も…私はサッカー素人…。最初からできない」
絵心「…そうか。君がまだそう思うならいい」
絵心「ただ、ここにいてずっとそれを思っていられるか」
それは、どういう?
その時逆転した
圧倒的不利な状況
その中でチームZが勝った
その時思った
いや、思い出した
サッカーコートでサッカーをしている少女
ボールはまるで生きているように人と人の間を縫うように動く
それを上手く奪いゴールに向けてドリブルをしている
素早く低く柔軟な少女のドリブルはいとも簡単に人をすり抜けゴールにボールが入った
もちろん少女のチームメイトは歓喜に湧いた
だが相手チームからは異質なものを見るような目
"なんで女子がやってんだよ"
"おかしいだろ"
"やめてやれよ笑友達いなさそうじゃん"
一方的で当てつけのような恨み言
観客席から向けられる非難と変なものを見るような視線
少女は恐怖した
まるで世界が自分を否定しているような
この自分の在り方をやめろと言われているような
少女は少女であることをやめた
やめざるを得なかった
そうするしか
この世界に受け入れてもらえる方法はなかった
少女は世界に壊された
63人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソバチャノ | 作成日時:2024年2月8日 17時