45:個性と家族 ページ46
病院から出ると父が車を出していた。
『クソ親父ー、こっち！』
「お前さ、もうちょっと女の子っぽく出来ないの？可愛げの欠けらも無いんだけど。」
父の車に乗り1週間前のあの時の話になった。ケラケラとあほらしい笑い方をしながら父は話し出す。
「あの子さ、俺の従兄弟の子なんだよ。」
思わず口からミルクチーを吹き出した。
「うわっ、汚っ！待ってこれ俺掃除してもらったばっかなんだけど」
『その話まじ？なら私と萌奈ちゃんは親戚じゃん！』
「お前最悪！もー！また掃除に出さないといけないじゃん！」
『聞けよ！』
父さんから聞いた話だと、私と萌奈ちゃんは親戚だ。
それで萌奈ちゃんは2ヶ月だけ日本に帰って来れるということで遊び感覚で送り出されたと。
「でもまあ、お前が無事ならそれでいいよ。」
そう言って父は笑った。本当、あっけらかんとしている。
しかし、写真で見る自分の顔にそっくりだと気づいた。いつもアホだと思ってたけど、私の親なんだな。
あの時ヴィランにやられそうになった時に助けてきてくれたのは父さん母さんだった。
いつも笑ってる母さんの涙を見たのは初めてだったのだ。泣くなって言うくせに泣くんだから。
『･･･私、今まで自分の個性好きじゃなかったけど』
「おっ、衝撃的真実。お前ー、サラブレッドだぞ〜」
『水系の個性なのにお目目の色水色じゃないし、水色なのに髪の毛の色普通に茶色やし、だいぶ地味だし』
「うんお前俺らが地味みたいに言うね。」
父が笑う。
『でも、父さんと母さんの個性受け継げて良かったよ。』
かあさんの個性がなきゃ間に合わなかったかもしれない。
父さんの個性がなきゃ直ぐにヴィランにやられて死んでいただろう。
しかし父さんは何も言わなかった。私も父さんの方は見なかった。きっと笑っているんだろう。呑気な性格だ。
「よーし、今日はアポロチョコ4粒上げちゃおうね！」
『いつも貰ってない上にすごく要らないんだけど！しかも微妙な数じゃねーか！』
たわいのない話をしながら昔父に言われた"お前は金に変えられない俺たちの宝物なんだよ。"そういう言葉を思い出していた。
.*･ﾟ .ﾟ･*.
私は教室の扉を開ける。
するとお茶子ちゃんを先頭にみんなが私の周りに来た。
「うわあああん！Aちゃんごめんね！！」
「ほんとすまなかった！悪かった！」
皆暗示だったからだろうに謝るなんて。
私は思わずみんなの姿に吹き出した。
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たら - 小学生の子かっこよすぎ。結婚しよう (2021年8月12日 21時) (
レス) id: 979f7d7a59 (このIDを非表示/違反報告)
れふる(プロフ) - とても素敵な作品で大好きです！！続編待ってます！！ (2020年4月10日 15時) (レス) id: f89108791d (このIDを非表示/違反報告)
マイ - めちゃ感動した。やばい神すぎる神に改名したまえ (2020年4月9日 10時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 本当まじ感動しました！めっちゃキュンキュンする〜！！神作書いてくださって本当にありがとうございます！！ (2020年4月7日 23時) (レス) id: 5ed857011f (このIDを非表示/違反報告)
紺 - 素敵でした (2020年3月12日 12時) (レス) id: 70df13c73f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日�� | 作成日時：2020年1月8日 23時
