37:決断。 ページ38
そういった彼は私の手にぐっと力を入れる。
『･･･お、おいおい、今私おねちゅだぜ？無抵抗の乙女になんてこと･･･ハンバーグにしたろか？』
「水成。･･･真面目に答えてくれ。じゃないと今すぐお前を襲ってしまいそうで怖い。」
お、ｵｿｯ･･･いつもの冗談じゃない。冗談に付き合ってくれる感じではない。
それがわかって頭が混乱し始める。
「･･･わりぃ。わかってる、俺も。水成が弱ってるところに着けこもうとしてる。今日だって来るつもり無かった。でも、お前のことを考えてたらいてもたってもいられなくなった。」
私を真っ直ぐ見つめる。目をそらすのを許さないと言っているようなオッドアイが心を貫いてくる。
「俺はお前のことばかり考えて頭がおかしいんだ。俺だったら、お前のちょっとしたことも気づいてあげられる。泣かせねぇ。守る。我慢させない。」
我慢させない。私の欲しい言葉を淡々と言う
「爆豪じゃなくて俺じゃだめなのか。」
私の流れていない涙を拭うようにして目元を触る。
余裕のある顔をしている轟くんなのに、その目には余裕なんてものは感じられない。
精一杯。
それがピッタリくるような様子だった。
私の額と彼の額が重なる。ひんやりしていてどこか暖かい。
でも、私ももう彼と一緒で"限界"だった。
もう二度と人前で流さないと決めたばかりの涙がポロポロと零れてくる。
驚いているだろう轟君の顔ももうよくわからない。
ぼやけてるのにそれすら気にならなかった。
『･･･私、こういう仕草一つ一つでも、こういうことしてもらったなとか、ちょっと違うなとか、･･･轟君と一緒にいるのにいつも頭のどこかであいつのことばっか考えてる、のっ、･･･』
上手く喋れない。
呂律が回らない。
私の頭はショート寸前で喋りきらないといけないというのに上手く口が回ってくれなかった。
『わた、しが、轟君と、一緒にいてもきっとこれからもずっ、と、あのバカのことばっか、で頭いっぱいだとおも、う』
ああダメだ、頭がフラフラする。自分自身の頭が追いついていかない。目の前が暗くなってくる。
こんな時に限って。本当に、弱いなぁ、私。
「･･･それでも、それでもいいから、俺と」
意識が飛ぶ中、轟君のそういう声が聞こえた。
『だめ、に決まってんだ、ろ、焦凍は、』
あっ、無理ぽよ、
そう思った時何故か彼の体温が離れて、それから安心する声が聞こえた気がした。
「お前はもう寝とけ。」
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たら - 小学生の子かっこよすぎ。結婚しよう (2021年8月12日 21時) (
レス) id: 979f7d7a59 (このIDを非表示/違反報告)
れふる(プロフ) - とても素敵な作品で大好きです！！続編待ってます！！ (2020年4月10日 15時) (レス) id: f89108791d (このIDを非表示/違反報告)
マイ - めちゃ感動した。やばい神すぎる神に改名したまえ (2020年4月9日 10時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 本当まじ感動しました！めっちゃキュンキュンする〜！！神作書いてくださって本当にありがとうございます！！ (2020年4月7日 23時) (レス) id: 5ed857011f (このIDを非表示/違反報告)
紺 - 素敵でした (2020年3月12日 12時) (レス) id: 70df13c73f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日�� | 作成日時：2020年1月8日 23時
