貴方と私だけの ページ45
大野｢ふふっ、そしたら急に汗だくの翔くんが玄関にいるんだもん(笑)｣
櫻井｢いや〜...やっぱ会いたかったからね｣
当時の事を思い出し、二人で静かに笑う。
大野｢...でも今でも疑問なんだけど、どうやって俺の家知ったの？｣
櫻井｢ん〜...まぁ、愛ですよ｣
大野｢愛か〜笑｣
そうしてまた二人で顔を見合わせて笑ってると後ろから声がした。
二宮｢何が愛ですか。焦りながら私に電話してきたの忘れたんですか｣
櫻井｢ちょ！二宮さん...それは言わないで下さいよ！｣
二宮｢さぁ？約束なんてしてないですから｣
そうとぼけた様にいう二宮に大野はまた目に涙を浮かべて笑う
櫻井｢智くんも笑いすぎだよ！｣
大野｢ふふっ、ごめぇん(笑)｣
二宮｢...まぁ、そろそろ時間ですし折角来たんだから最後に二人で見てくれば？｣
そう言って二宮は一番奥にある部屋を指差し、｢じゃあ、私は一足先に帰ります〜帰りは櫻井さんに頼んで｣と言って消えてしまった。
ポツンとその場に残された二人。
櫻井｢...じゃあ、行きますか？｣
大野｢...うん！｣
ゆっくり互いに手を取り、奥の部屋へと入る。
櫻井｢...綺麗だ。｣
部屋へ入ると白い壁に大きい絵が飾られていて
周りには余計なものはなく、淡いオレンジの照明だけがその絵を照らしている。
大野｢...その言葉、前にもきいたことある気がする笑｣
大野は自分で描いた絵を見ながら櫻井の言葉に返した。
その言葉に反応するように櫻井は大野の方を向き、柔らかい笑顔を向けた。
櫻井｢気のせいじゃないよ...覚えててくれたんだ｣
大野｢...翔くんこそ｣
繋いでた手を離し、ゆっくり絵に近づく。
櫻井｢...俺、最初こうやって下から見てたんだよなぁ...今思えば失礼だったよね。｣
そう言って昔みたいにしゃがみ、下から絵を見上げる。
大野｢ううん、全然。むしろ...翔くんにしか分からないかもよ？｣
最初は大野の言っている意味が分からず、キョトンとしてまた絵に視線を戻した。
...けど、その意味はすぐに気づく。
櫻井｢...これ！｣
勢いよくこの絵を描いた本人の方を向くと大野はニコッと笑った。
大野｢...気づいた？｣
櫻井｢勿論...これ、...｣
それは櫻井と大野にしか見つけられない
もう一つの絵。
正面から見たらただの抽象画だが。
今の櫻井の目線からは幸せそうに笑う自分達がいた。
まるでキスをするような形で笑っていた。
大野｢...見つけてくれてありがとう、翔くん｣
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作者名：ハヤト | 作成日時：2017年12月17日 21時
