復活love〝II〟 (ページ38)

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俺のせいでページ38

目を開けると白い天井に一定のリズムを刻む機械音が聞こえた。

さっきまでは黒い視界しかなかったためか、
しばらくぼーっと白い空間を見ていたが

何故か身体が重い。

確認したくても身体が自由に動かないため起き上がることも出来なかったが、

なんで自分の身体が重いのか原因がわかった。

俺が寝ているベッドの上でモゾモゾと動く。

二宮｢う、ん...あ、櫻井さん...起きましたか？｣

まだ眠たそうな目を擦り、水分を多く含んだ目で俺を見る。

その目はいつもよりも優しい。

櫻井｢...なんで二宮さんが...？｣

状況を理解できない俺に二宮さんは近くにあったイスに腰を下ろして

淡々と話してくれた。

電話が急に聞こえなくなったこと。
ここ数週間、相当無理をしていたこと。

そして、倒れる一番の原因になったのが

精神的なストレス。

二宮｢...すみませんでした、俺のせいで櫻井さんは...｣

原因がストレスだと聞いて、自分のやったことが一番の要因なんだろうと二宮さんは俺に対し丁寧に謝罪をする。

櫻井｢頭を上げてください。誰のせいでもないですよ...倒れたのだって自分の自己管理ができてないせいだって言われても何も言えませんから。｣

｢ね？｣と二宮さんに笑いかけると、

二宮さんは｢でも...｣という感じで納得してはなさそうだった。

確かに、ストレスが原因なら二宮さんは深く関わってくるだろう。

同じ人を好きになったんだから。

櫻井｢...でも、いいんです。
もう、ストレスなんて感じる必要も無くなったので｣

俺の言葉の意味を理解できないと言う顔で二宮さんは俺を見る。

櫻井｢...本当はこんな事言いたくないですけど...おめでとうございます。｣

自分で言っててすごく胸が苦しかった。

雅紀の言葉に少し頑張ろうと思ったけど、やっぱりもうダメだ。

智くんもこんなボロボロの俺なんて見たくないだろうし、

櫻井｢...でも、安心してくださいね、個展は必ず成功...させますので｣

口では悲しい程に営業用トークがすらすらと出てくる。

内心はそんな穏やかなもんじゃないってのに

こみ上げてくる熱いものを涙にならないよう必死に殺して

二宮さんとの今後の話を進める。

俺は点滴を打ってもらいながら、もう心の中は乾ききっていた。

ただ、虚しい...そんな感情が身体を支配していった。