復活love〝II〟 (ページ35)

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最悪な事実ページ35

Ｓsaid

最悪な事実を知ってしまった。

二宮さんの口から智は俺のモノになったという宣言をされた。

つい先日、覚悟を決めたばっかりだったのに

そう思って今日まで...いや、個展を終わるまで頑張ろうとしていたのに...。

あの言葉でもう俺の頑張る理由はなくなった。

そう思って会議室を出たら雅紀から励ましのような言葉をもらう。

雅紀はすぐに行ってしまったが追うことなんてできなかった。

その姿をぼんやりと見ていたら重大な事を思い出した。

櫻井｢...あー、明後日のプレゼンどうしよ...｣

部長に最後までやると言った手前、

ここで仕事を放棄するのは出来なかった

なにより、あんなことを言われても気にかけてる自分がいる。

櫻井｢...せめて、雅紀の言う通り個展までやってみるか｣

小さいその言葉には奇跡なんて信じてなくて、

ただの悪あがきだった。

...奇跡なんて薄っぺらいものよりも確実が欲しい。

櫻井｢俺はどれだけズルい奴なんだ...最低だな...｣

最後まで智くんの隣にいることを願っている

こんな俺に君を幸せにする資格なんてあるのかと思いながらすっかり重くなった足をまた進める。

午後になり、また別の仕事をやり始めるが

集中ができずにミスをし続けた結果

辺りは真っ暗になり、帰る頃には22時をまわっていた。

降っていた雨は少しだけおさまってはいたが

まだ傘は必要な程だった。

最初は優しい雨だったのに、今は激しい雨に変わっていて、地面に打ち付けられた雨が跳ね

何もしていなくても段々足元が濡れていく。

それがとても惨めで、なんだか泣きそうになった。