復活love〝II〟 (ページ26)

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貴方の為にページ26

今度は自分で買った本を抱え、足早に家へと帰る。

一応風邪だからと言うことと、はやく貴方が見ている世界を見たかったからだ。

外着からまた動きやすい部屋着へと着替え、
綺麗に包装されたものを少し乱暴に剥がしていく

そして、一冊一冊じっくりと読み込む。

絵の基本的な事や種類

魅せ方、色調など...

全て貴方のイメージを考えて自分なりに形を作っていく。

絵のことは勉強すればいい話だ。

貴方のことなら努力は厭わない。

会社の業績を上げることでも、自分の出世の為でもない。

貴方にまた笑ってほしい...ただそれだけ。

こんな必死で知識もない俺を見たら

君は呆れる？それとも笑う？

でも、それでも...最高な個展を用意してあげたい。

それが今の俺にできること。

熱がぶり返さない内に形になったものをPCを使って

手際良くまとめていく。

これでもまとめることには自信がある。

二宮さんと智くん用の資料とは別に

上司向けのプレゼン資料も作っていく。

打ち合わせといっても実際にやるとなったら

上の許可が必要になる。

だからそれを貰うため納得のいく資料をつくる必要がある。

作業を始めて

1人であーでもない、こーでもないと奮闘し

床や机には参考資料などが足場もないくらい周りに積まれていて、それを見ながらまた作業を進めていく。

作業が一段落したところで少し休憩しようと

椅子にもたれ掛かると視界に捉えた時計はもう今日になっていた。