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『ねぇ、送辞読むなんて聞いてないよ？』
｢あれ？言ってなかったっけ？｣
卒業式の帰り道。
手を繋いでこの道を歩くのも最後。
嬉しそうにとぼける彼女。
『びっくりして、変な声出しちゃったじゃん』
｢うん、聞こえてた｣
笑いながら言う彼女。
『笑い事じゃないよ、最後だって｡｡｡』
｢うん。言いたかったんだー｣
『？』
｢私の素敵な旦那様の名字。｣
『////』
なんだそれ。
｢あー、たくちゃん赤い〜｣
『うるさい』
｢｡｡｡たくちゃん、本当にありがとう。｣
｢卒業おめでとう。｣
『うん。ありがとう。』
『俺と一緒になってくれてありがとう』
2人を包むように吹いた風は
春の香りがした。
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作者名：K.K | 作成日時：2016年7月12日 15時
