いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ10)

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9話ページ10

『…なんでこいつらも一緒なんや』

昼休み、いつものように屋上へ行けば自分より早く来ていたであろう双子と銀島が我が物顔でどっかりと座って待ち構えていた。

『まぁ…もうええけど』

侑「おい角名ぁ！！何自分だけちゃっかり橘くんと昼飯食おうとしとるん？」

角名「…侑は喧しいから誘われないんだよ」

侑「なんやと！？」

別に角名も誘った訳じゃないが…とは言わないでおくことにした。

銀「…橘ってバレー部はいらんの？」

菓子パンを頬張っていればふとそんな声が聞こえる

侑「入ろうや、あんな美味いんやからすぐレギュラーなるやろ！」

『……買い被りすぎや、たった1回レシーブしただけやろ？それにあんなん誰でも出来るわ』

角名「誰でもはできないと思うけど」

治「…せや、部活体験とかはどうや？」

侑「それや！…なんやサム、たまにはええ事言うなぁ！」

治「やかまし」

『いや、俺は…！……聞こえてへん』

本人を置いてけぼりに盛り上がる双子と早々に北さんに連絡する角名。

銀「逃げ場無くなったな」

にっと笑いながらそんなことを言う銀島に、諦めたようにため息をつく。

┈

あっという間に放課後。

既に事情は聞いているようで快く練習へ参加させてくれる監督と部員たち。

監督とコーチ、北さんには体力がないため走り込み等のメニューはパスさせてもらうよう伝え、軽いウォーミングアップを行う。

コ「3対3やるでー！」

「「うっす！！」」

久々にしっかりとボールに触り、触れたとこからじんわりと熱が広がっていくのが分かる。