いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ22)

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20話ページ22

侑「…なにやっとんのか聞いとんねん、タコ共」

顔は見えないがだいぶ腹を立てた様子の宮侑が佐藤先輩の胸ぐらを掴む

『っ…宮、だめや、！』

こっちの声は聞こえてないらしい

苦しそうな顔をする佐藤先輩をみてまずいと思い、少し緩んだ拘束の手から抜け出し宮侑の元へ駆け寄る。

『っおい、やめぇや！問題起こしていい時期とちゃうやろ！あほ…っ！』

彼のジャージを掴み制止する。

侑「…橘くん、邪魔や」

今まで接してきた彼とは別人のような鋭い目付きの彼に恐怖を感じつつ、必死で抑える

『…侑！！その手離せバカ！！』

ぎゅうっと抱きつき、大きい声で彼の名前を呼ぶ

頼む、止まってくれ…なんて思いながら見上げれば、ぽかんとした顔でこっちを見つめていた

侑「…いま、名前「ツム！！先生連れてきたで！」 …サム｣

侑が何かを言いかけたところで治と角名が教師を連れ教室へ入ってくる

先輩達は教師を見るや否や顔色を変え逃げようとしていたが治と角名がそれを許さず、教師に連れてかれた。

先輩たちがいなくなり、霞む視界の中此方へ駆けつける治と角名、心配だと書いてあるような顔で此方を見つめる侑がやけにくっきりと映った。

俺は、安心と疲労からか侑に抱きついたまま気を失った。