いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ17)

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16話ページ17

北side

昼休み、教室で昼飯を食いながらふと中庭へ視線を移すと、いつもは見ない姿があった。

最近2年連中が懐いてる橘。

1人で食っとるんやろうか。

いつもはいないはずの彼の姿がやけに気になりさっさと昼飯を食べ終え中庭へ向かう。

『＿＿迷惑、か…』

小さく呟いたその言葉に疑問を感じつつ声をかける。

驚いた様子の橘の隣へ腰を下ろし視線を向ければ慌てて手もとの菓子パンを口へ運んでいた。

…そんな慌てんでもええのに

北「今日は屋上じゃないんやな」

ふと気になったことを聞いてみれば橘は目を見開き此方を見つめる

『なんで知っとるんです？』

北「俺の教室から丁度屋上が見えるんよ、いつも見とったよ」

最近は2年連中と一緒にいたのが見えてたが、今日は中庭に1人。

北「…何かあったん？」

少し赤みを帯びた左頬と絆創膏。

昨日はなかったものを付けいつもと少し様子の違う彼を見て心配せずにはいられなかった。

少し躊躇いながらも俯いて淡々と経緯を話す橘は可愛い見た目と反しどこか大人びた目をしていた。

『…この話はアイツらには内緒ですよ、きっと知られたら面倒やと思うんで』

眉を下げ笑う彼をみて不思議な感情が湧く

北「…なぁ、自分、バレー部入らん？」