いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ12)

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11話ページ12

治「ナイスキー！」

宮治の掛け声が皮切りとなり侑、銀島、3年の先輩…角名までもが自分を褒め称える。

侑「なんや、橘くんってリベロじゃないん！？」

銀「でもそんな高く飛んでたわけとちゃうよな」

『……たまたまや』

これ以上目立ちたくなくて適当に誤魔化したつもりが無意味だったようでしつこく絡まれる。

監「……いやぁ、橘A。凄い逸材やな」

コ「今のは完全に見えてはりましたね。彼はリベロ言うとりましたけど、バネと身長さえあれば十分スパイカーとしても戦えそうやったな」

なんやかんや1セットが終わり、結果は相手チームの勝ち。

終盤はスタミナが限界で普段なら綺麗にあげられる球も乱れがちだった。

終わった瞬間地面にヘタリ込み上がった息を何とか整えようと肩で息をする。

治「…なんや橘くん、スタミナないなぁ、1セットしかやってへんやん」

『っは、ぁ…うるさ、っはぁ…っげほ、』

まだ息が整わないまま立ち上がれば、足がもつれふらっとした浮遊感を感じる。

やばい

そう思った時には遅く踏ん張る気力もないため重力に身を任せる。

いつまで経ってもやってこない痛みに不思議に思い目を開ければ宮治と角名が2人がかりで支えてくれたようだ。

『……んぁ、ありがと、』

2人もいれば別に大丈夫だろうと体の力を抜き全体重で2人にもたれかかれば、ふぃーっと息をつき呼吸を落ち着かせる。

治,角「……」

疲労からか2人の視線に気づかずリラックスしていればいつの間にかコートからベンチ側へ移動していた。