・ ページ21
・
突然に勢いよく立ち上がった俺に、ミンチェは薄い肩を揺らして目を見開いた。
ミンチェの腕をこんなに乱雑に掴んだのは初めてだった。
「･･･オッパ、？」
手首を掴んだ親指と他の4本指は重なって、背中がぞっとした。
ミンチェのトレーナーの袖を無理矢理捲った。
「なんで、･･･」
いつか同じように掴んだはずだった手は、こうじゃなかったって、
わかってたはずだったのに。
変わってしまったって、
変えられてしまったって、
ただ、その細さを、骨を、皮を、浮き出た血管の痛々しさを、目の当たりにした俺はショックで。
首の辺りからなにか、あつさが迫り上がってくるのを感じた。
そのあつさは瞬く間に俺を支配して、まるで自分のじゃないみたいに、俺の体は止まり方を忘れて、
どうにかして、君に何かを食べさせなきゃいけないって、
単細胞生物みたいに、それだけがプログラミングされたコンピュータみたいに、それで頭がいっぱいに、ただいっぱいに飽和して、溢れかえって、
ほんとうに、それだけだったんだよ。
＿＿＿＿＿＿「っ食べないとダメだろｯ！！！！」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 921人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Grass(プロフ) - ナカムさん» はじめまして！コメントとても嬉しいです。応援していただけるなんて光栄です！こちらこそ、本当にありがたい限りです。これからも何卒よろしくお願いしますね☻ (2023年5月1日 0時) (
レス) id: 4c613351b7 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - はじめまして。この作品を読んでフィクションだとは分かっているものの胸が締め付けられるような感覚になりました😢言葉選び、文章の構成等素晴らしいと思います。これからも応援してます。素敵な作品をありがとうございました！！！ (2023年3月12日 14時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
Grass(プロフ) - ミユウさん» コメントありがとうございます！検討させていただきます。続きを読みたいと思って頂けるなんて本当に嬉しいです。ご期待に応えられるように頑張りますので、気長に待っていてください。よろしくお願いします☻ (2022年10月9日 9時) (レス) id: 4c613351b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミユウ(プロフ) - 泣きました！出来れば活動再開後の小話なども読みたいです。 (2022年8月28日 21時) (レス) @page49 id: 2c9d9d2bdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Grass | 作成日時：2022年3月20日 22時
