ナワーブ、イソップ…三角関係 ページ48
夢主ちゃんには「自己犠牲」という特質がある。
ナワーブは貴女のことが好きで、自分を大事にしてほしいと思ってる。
イソップくんは貴女が好き。腹黒い。
夢主ちゃんは人形師。ドロドロな取り合い。
「なんで、オレを助けたんだよ…」
「ご、ごめん…」
とある荘園。サバイバーの談話室で、先程ゲームが終わったナワーブがAを叱っていた。
「勝てたけどさ、お前がオレを庇う必要はなかっただろ？」
暗号機の解読が終わり、ゲートに向かったA達だったがナワーブが捕まった。
特質上Aは彼を助けることが出来たが、自分は攻撃を貰い、A以外の3人が脱出したのだ。
「無茶は良くないけど、Aも疲れてるんだし…」
ナワーブを宥めようと、先程同じゲームに出ていた医師のエミリーは仲裁に出る。
「ナワーブくん、そこまでにしないか。彼女は十分…」
同じく、占い師のイライも仲裁に入る。
「ご、ごめんなさい…でも…」
目に涙を浮かべるA。だが、ナワーブは近くにあったテーブルを思いっきり叩く。
「お前の能力的には仕方ないんだろう。だが、その能力で周りはお前に気を使わなきゃいけないんだ。自分のことを大事に出来ないなら、もうオレの前に現れるな」
そう言って乱暴に立ち上がり怯えていた彼女に背を向け、部屋へと戻る。
ナワーブが談話室から居なくなると、泣いていたAを慰める。
あれから、数時間が経つ。
この前までは夜間は行動禁止だったが、今では自由になった。
夜、とても長く薄暗い廊下を人形師は歩く。
Aはナワーブについて考えていた。彼女はこんな時間には誰もいないだろうと、長い廊下をずっと歩いていた。
だが、少し寒い。Aは就寝準備をしていた為薄着だった。
すると、ふわっと誰かが彼女に小さい体に大きい服を被せる。
「こんな時間に何をしているのですか？夏だと言っても夜は少し寒いです。」
そこに立っていたのは、納棺師であるイソップだった。
「ごめんなさい。ずっと、考え事をしていたの…ありがとう…」
Aはイソップに礼を言う。
「大丈夫ですよ…あの、お願いがあって……お部屋のシャワーを借りてもいいですか？ウィリアムくんに壊されてしまって…」
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