ナワーブ …使用人のキミと ページ28
貴女は荘園の使用人という設定です！
オレの名前はナワーブ ・サベダー。
傭兵だ。
貴女「ナワーブ様、今すぐ手当を行いますのでジッとしていてください」
さっきゲームから帰ってきたばかりで、ハンターとチェイスしたときにできた怪我を使用人であるAに手当をしてもらっている。
使用人はこいつだけ。
料理とか掃除とか洗濯。
まず、屋敷自体が大きいのにそれを全て1人でやっている。
オレはAを尊敬している。
Aは何でもできるし、まず綺麗だ。
最初見たときに思ったが、彼女を見れば世の男は振り返るだろう。
女であるエマも彼女に目を奪われたように、ジッと見ていたときもある。
だが、彼女の目に光はない。
荘園の主に操られているのか、主の信者であるのかわからないが、彼女は表情を見せない。
彼女は笑った顔や困った顔、どれも見せない。
貴女「手当終わりましたよ？もし、また何かあればいつでもお呼びください」
ナワーブ 「じゃあ、ちょっと聞きたいことがあるんだが？」
顔色ひとつ変えずに、この場を立ち去ろうとするAに話しかける。
ナワーブ 「お前さ…なんで笑わないんだ？」
貴女「え？なぜ、私が笑う必要があるのですか？」
ナワーブ 「じゃあ、お願いだ。笑ってくれ。」
貴女「こうですか？」
オレは何故笑わないのかを聞いたが、アイツの答えは普通じゃなかった。
次に、笑えとお願いしたが心の底からではなく、全てを諦めたような笑みに見える。
貴女「あの…もういいですか？このあと、ジョゼフ様の部屋に行かなくてはならないのです」
オレはジョゼフの部屋に行くといったAの腕を思いっきり壁に押し付ける。
一瞬びっくりしたのか、目を見開いたA
貴女「あの…痛いです。」
だが、通常運転に切り替える。
ナワーブ「ふーん…そんな表情できるんだな…」
オレは耳元で囁く。
彼女は肩をビクリと揺らし、オレの肩を押す。
貴女「や、やめてください！」
少しだけ頬を赤く染めるA
オレは今まで溜め込んでいた理性など、全部崩れていった。
その瞬間、オレはコイツが好きだったんだなと感じる。
ナワーブ 「可愛い顔してんな、悪かったな。お前のいろんな表情が見れてよかったよ」
貴女「…私、笑わないだけで皆さんの会話を聞いたりするの好きですよ。笑い方を忘れただけです。」
貴女「あ、あと…期待させないでください…」
オレは走り去る彼女をニヤつきながら見ていた。
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