[第五人格・短編集]いろんな恋の形 (ページ23)

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白黒無常…生まれ変わった君にページ23

Aが荘園に来てから、かなり経った。

最初は解読やチェイスもあまり得意ではなかったが、今ではサバイバーの中でもかなり強い存在となっている。

また、彼女は周りから好かれており、ハンターに優鬼されることも多かった。

そんな中、彼女にだけは絶対に優鬼をする人物がいた。

その名は白黒無常。

彼らはAだけは毎回ハッチから逃がしてくれる。

ゲームが終わったあとでも、図書室や談話室、中庭などで一緒にいることも多い。

「Aさん、どうしたのですか？浮かない顔をして…」

白黒無常の謝必安が中庭で1人浮かない顔をしていたAの顔を覗きこむ。

「最近ね、夢の中に謝必安さんや范無咎さんみたいな人たちと遊ぶ夢を見るの…もしかしてミニ白黒無常？頻繁に出てくるんだよね…」

彼女のこの発言自体、庭師のエマや弁護士のフレディが聞いたら、特に何も思わないだろう。

だが、謝必安はそれに思い当たることがあった。

「…不思議ですね。また、何かあれば教えてくださいね？」

優しい笑みを浮かべる謝必安。

その後、謝必安は彼女を部屋まで送ってあげた。

ハンターの屋敷に戻り、すぐに范無咎と共同で使っている部屋に入る。

「范無咎…やはり彼女はあの子の生まれ変わりです…」

「はぁ…これで確信できました…こんなに嬉しいことはありません…」

すると、急に范無咎に変わる。

「…そうだな。オレも嬉しい。」

「アイツだけは…絶対に逃がすぞ？」

「なぁA…ここにいてくれ、永遠に」

彼女は元々謝必安と范無咎の幼馴染だったが、2人がこの世を去ってから、Aは2人を追って還らぬ人となったのだ。