ミニリッパー ページ20
[キミが大好きなんだ]
丁度お昼過ぎ、サバイバーのAは談話室で庭師のエマや医師のエミリー達と楽しく喋っていた。
Aのペットのミニリッパー は、彼女から渡された画用紙とクレヨンを使い、絵を描いていた。
彼女は自分の膝の上にいるのは退屈だと思い、ミニリッパー の為に用意をしていた。
3人は話し終えたのか、エマとエミリーの2人はそれぞれ自室へと戻って行った。
「ジャックくんごめんねー…待たせたねって…寝てる…可愛い」
Aはミニリッパー を連れて帰ろうと思ったが、ミニリッパー は気持ちよさそうに眠っていた。
「ん…?これは…ジャックくんと…私?」
先程まで彼が描いていたのは、自分と主人であるAの絵だった。
子供らしい可愛い絵で、2人はニコニコと笑っている。
Aは嬉しいのか、笑みが溢れる。
また、周りには納棺師のイソップや占い師のイライなどもいた。
Aはミニリッパー を起こさないように、優しく抱き抱え、自室へと戻った。
後日、ミニリッパー は出来上がった絵をAに渡した。
その絵は、前に見た通り真ん中には自分とAの姿、周りにいるイソップ達のイラストにはまだ字が書けないみたいでよく分からないが、"変態"と書かれていた←
だが、Aはそのことを知らない。
[大切な人]
現在Aは、ゲームの為に赤の教会に来ていた。
ランク戦の為、一緒に戦っていたメンバーもやる気だった。
だが既に仲間は2人飛ばされ、Aも一度攻撃をくらったまま、治療もしてないない。
幸い、もう1人のサバイバーはまだハンターに会っていない。
暗号機も残り1つ。
今やっているのが終わればゲートのスイッチを押せる。
解読が終わるとブザーが鳴り、近くのゲートまで走ろうとしたが急に心音が鳴る。
逃げようとしたが、攻撃はあたりAは地面に倒れこんだ。
もう1人のメンバーも近くにいた為、追いかけられていた。
「ジャックくん、お願い…私を…殺して?」
「私が死ねば、ハッチが開くの…だから、お願い…」
ミニリッパー は、泣きながら首を横に振る。
「ダメな飼い主で…ごめんね?」
ミニリッパー は彼女に寄り添うことしか出来なかった。
サバイバー負け
1人脱出
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