9 ページ9
・
やけに体が重たくて起きる気にもなれない朝は数少ない。
でも今日は起きたくない。
起きたら先輩に会っちゃうだろうし、伏黒にも変な感じになっちゃいそうだから。
あぁ、なんでこんな毎日なんだろ。
壁の方に体を向けて毛布にくるまる。
「うぅ……頭痛てぇ……」
眉に皺を寄せて唸るが、昨日のことがどうも頭から離れない。
唇の感覚と先輩の声が鮮明に蘇ってくる。
だめだ、だめだ。忘れろ。昨日のことなんて、あんなのなかったも同然なんだから。
なんなんだよ、あんな未練がましいような発言。俺をからかってるのか。
あれは、まるで俺の事を好きみたいな感じだった。
好きでも無い伏黒と無理矢理付き合って、本当は俺のことが好きで_____みたいな。
ほんとにそうだとしたら、多分容赦出来ない。
俺はとことん先輩を奪いに行くだろう。
先輩がもし伏黒の事が好きじゃなかったら、伏黒がそれに気付かないわけが無い。もしそうだとしても、なんで伏黒は何も言わずに付き合い続けているのか。
いや、もしかしたら何か条件付きなのかもしれない。
でも伏黒がそんなこと言い出す性格には見えない。
好きな人はとことん好きになるだろうし、好きな人が自分の事をどうも思ってないと分かったら、伏黒はどんな行動をとるだろう。
俺だったらどんな行動をとるだろう。
「悠仁、いる?」
ノック音が3回聞こえたあとに俺を呼ぶ声がした。
先輩だ。
なんでだろう、なんで体が勝手に動きに行くんだ。
なんでドアノブの場所まで来てんだ、俺。
ドアを開けて先輩の姿が見えると、俺は先輩を引き寄せて部屋に入れていた。
伏黒に見つかったらやばいから。
すぐにドアを閉めて先輩に言う。
なんで来たんだよって。
「昨日の、返事をしに」
「…………は?」
「お、怒んないで聞いて」
もじもじしながら顔を赤くする先輩。
なぜか喜べなかった。
「私恵のことあんま好きじゃなくて、それを恵は知ってたけど、でも私と付き合えてるから我慢してたって、言ってた。でももう我慢させないように、お互いのために別れたの。だから、その」
「待って」
先輩の言葉を遮るように先輩の顔の前に手を出した。
「伏黒のことは元から好きじゃなかった」
「うん、そういうこと」
「それを伏黒は知ってたけど、でも先輩と付き合えていたからちょっとは我慢していた」
「うん」
「それで昨日のことと被さって、別れざるを得なかった……?」
・
8人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 久しぶりに連絡くれて嬉しかった反動で作れた……………また作ります笑笑ありがとね♡♡ (1月22日 7時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
金糖の少女 - コーンクリームコロッケさん» 更新ありがとおおお!!!そして完結おめでとおおお!!!新作作る予定あればまたすぐ見にいく!!!!楽しみに待ってます!!!! (1月21日 19時) (レス) @page12 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - わあああ!!!うれしぃぃぃ!!待って更新頑張ります!!!!!笑笑笑笑笑笑笑笑 (1月20日 22時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
金糖の少女 - え、え?!星に色ついてるよ!!おめでとうううう!!!ウワアアアア…これからの展開めちゃきになるけど行き先が不安…´・ω・`更新無理しないでね…!! (1月19日 18時) (レス) @page6 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - いやまじで毎作品コメントありがとう♡♡好きになっちゃいそうフォローすぃます……友達にも布教したの?!嬉しすぎ!!!ありがとう!!! (12月14日 21時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コーンクリームコロッケ | 作成日時:2023年12月14日 17時