ツンデレくんと家政婦ちゃん【青】

なまえ ページ23

オムライスはノーマルのにしました。デミグ
　ラスのが好きなんだけど、そっちのほうが高
　いし、欲張っちゃうのもちょっとね。

　注文してから、わたしは一気に冷や汗が出て
　きた。
　


　どうしよう。何話そう。



　出たコミュ障。大人になったら治るかなとか
　思ってたけど、そんな甘くはなかった。


　莉犬くん(仮) の少し斜め上を見ていると、
　彼が口を開いた。



　「そいえばさぁ、自己紹介してなかった
　ね！」

　
　！



　一気に緊張感が高まる。もうこのまま、莉犬
　くんかもしれないけど、他人として関係を終
　われるかなとか思ってたのに。



「あ、あの・・・」



「俺莉犬！莉犬くんって呼んでね！」


　・・・。



　あれ。




　もしかして、耳がおかしくなっちゃったのか
　な。



　今莉犬って聞こえたけど。



「あれ？おーい、聞いてる？」




　体がぴしっと固まったわたしに対して、莉犬
　くん(確定)は、わたしの顔の目の前で自分の
　手をひらひらさせた。きれいな手。


　
　

　ああもうしょうがない！




「莉犬くんっていうんですね！わたしは、天野
　です！」
　


「下のお名前はー？」



「天野です！」



「え、天野天野ちゃん？」



　少し引いている莉犬くんにそんなわけないで
　しょうがと心のなかでツッコみながら、わた
　しはにっこりスマイルでうんうんと頷いた。


　莉犬くんに少しでもわたしという人間の情報
　知らせないように。



　みなさーん！今日からわたしは天野天野に改
　名しました！把握よろしくね！




　さすがに失礼？でも・・・。





　・・・？



　あれ？




　なんでわたし、こんなに莉犬くんのことを拒
　否しているんだろう。



　わたしは、すとぷりのみんなが好きだ。



　ころんくんもさとみくんもるぅとくんも、


　ジェルくんも、なーくんももちろん莉犬くん
　も。



　箱推しといってもいいと思う。



　確かに、りすなーとめんばーが食事している
　ということは問題だけど、やっぱり嬉しい
　し、それがいけないことでも、ここまで嫌が
　らないんじゃない？



　それに、別にわたしがりすなーだとバレたわ
　けではないのだ。ましてや、ころんさんの家
　政婦だなんてことも。



　・・・じゃあ、もう少しだけ。



　この状況を、楽しんでもいいんじゃない？



　なんて。



　結局わたしは自分に甘いのだ。



　その甘さが、後に問題になるとも知らずに。

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